アレルギー検査を受ける前に知っておくべきこと
アレルギーに苦しんでいるのは、あなた一人ではありません。アメリカでは5000万人以上がアレルギーを患っており、6番目に多い慢性疾患となっています。
しかし、自分が数千万人のアレルギー患者の一人であることを知るだけでは、十分ではありません。アレルギーをより効率的に治療するには、まずアレルギー反応を引き起こす原因を突き止める必要があります。
アレルギー検査を受けることで、素早く、痛みも伴わずに原因を特定することができます。診察予約に向かう前に、アレルギー検査について知っておくことをウェバー医師が以下に記載しました。
クリストファー・ウェバー医師はコロラド州ローンツリーにあるスカイレンジ医療センターのアレルギー専門医です。
アレルギーおよびアレルギー検査とは?
アレルギーとは、アレルゲンと呼ばれる特定の引き金によって起こる免疫反応です。
これには、花粉や一部のカビのような季節性アレルギーと、主にイエダニ、犬や猫の毛、食品アレルギーによって引き起こされる通年性アレルギーの2種類があります。
食物アレルギーの最も一般的な原因としては小麦、卵、牛乳、ピーナッツ、ナッツ、大豆、魚、貝類がありますが、どんな食品でもアレルゲンになり得ます。
自分の特定のアレルゲンを知りたい場合、アレルギー検査が必要となります。これには、皮膚検査と血液検査の2種類があります。
どちらも等しく有効で、アレルギーの検出において非常に優れています。全体として、同等の検査であると見なされています。
アレルギー検査の実施方法
これらの検査は両方簡単かつ正確ですが、血液検査の方がより便利です。
ウェバー医師によると、血液検査はかかりつけ医によって実施してもらうことができ、空腹時に行ったり、抗アレルギー薬の服用を止める必要もないため、何時でも受けられるそうです。
欠点としては、検査結果が出るまで時間がかかることが挙げられますが、通常1週間以内には結果を受け取ることができるとウェバー医師は話します。
皮膚テストはアレルギー専門医がいる病院で受ける必要があり、検査前の5~7日間は抗ヒスタミンを摂取してはいけないといった制約がありますが、検査結果は約20分で出ます。
アレルギー専門医が様々なアレルゲン(食品、ペットのフケ、あらゆる種類の木の花粉、芝生、雑草)に浸されたプラスチック片を、背中にこすりつけます。
患部に蕁麻疹やみみず腫れができ約20分間持続した場合、皮膚検査の結果は陽性となります。皮膚検査に痛みは伴わないと、ウェバー医師は言います。
偽陰性と偽陽性
ウェバー医師は、アレルギー検査で偽陰性もしくは偽陽性が起こる状況が二つあり、アレルギー専門家が結果を判断すると言います。
季節性アレルギー患者の4人に1人が、実際はアレルギーを患っていません。
患っているのは刺激性鼻炎(非アレルギー性鼻炎とも呼ばれる)であり、症状の多くはアレルギーと同様ですが、免疫系が関わっていません。
原因にはタバコの煙や強い匂い、塵、大気汚染があるといいます。アレルギー検査の結果は陰性となることがありますが、だからと言って症状が無い訳ではないと、彼は言います。
一方、食品アレルギーの検査では偽陰性が出ることがあります。それはすなわち、アレルゲンへの免疫反応があるにも関わらず、症状がでないということです。
検査ではアレルギー抗体の存在を適切に計測しますが、アレルギー抗体に加えて症状が出ないと、アレルギーとは言えないのです。結果が陽性でも、それだけでアレルギーがあるとは言えません。