インフルエンザの予防接種が重度のCOVIDの予防に役立つ可能性
2021年7月12日(ヘルスディニュース)- インフルエンザの予防接種は、COVID-19の深刻な影響に対するある程度の保護を提供する可能性があると新しい研究が示唆しています。
研究によると、COVID19に感染している場合、インフルエンザの予防接種を受けたことで、重度の全身感染、血栓、脳卒中、集中治療室での治療を受ける可能性が低くなります。
「私たちの研究結果は重要です。」
と研究の共著者であるデヴィンダー・シン博士は述べ、世界中で限られた資源のためにCOVIDワクチンの入手が限られ続けているということを指摘しました。
マイアミ大学ミラー医学部の形成外科の責任者であるシン博士は、次のように述べています。
「世界の人々は医療資源を圧迫する可能性があるコロナウイルスとインフルエンザの「ツインデミック(二重のパンデミック)」を防ぐ目的での、インフルエンザワクチンの接種により恩恵を受けるかもしれません。」
インフルエンザの予防接種がCOVID-19のいくつかの深刻な影響を予防する理由は明らかではありませんが、インフルエンザで見られるいくつかのシステム全体へ危害が生じる可能性を減らすために免疫系を刺激できる可能性があります。
しかし、彼らはインフルエンザワクチンがCOVID-19ワクチンの代わりにはならないことを警告しています。
また、この研究では、インフルエンザの予防接種がCOVID-19に関して実際に保護効果があることを証明できず、保護的である可能性があることだけを証明しています。
エリック・シオエ・ペナ博士は、ニューヨーク州ニューハイドパークにある統合医療機関『ノースウェルヘルス』のグローバルヘルスディレクターですが、この研究には参加していませんでした。
「この研究では、インフルエンザの予防接種を受けた人とCOVID感染の罹患率が低いこととの間に明確な関連性があることが示されていますが、因果関係を示しておらず、インフルエンザワクチン接種がCOVIDにどのように役立つかについての、明確な因果関係を示唆していないために、それを明確にする必要があります。」
と彼は述べています。
「それはさておき、私はインフルエンザワクチンとCOVIDワクチンを『慎重な公衆衛生対策』として全面的に支持しています。そのため、これが二次的な利益になるとすれば、素晴らしいことです。」
この研究では、シン博士と彼の同僚は、医療データサービス企業のTriNetX社の研究データベースを使用して、それぞれ37,000人以上の患者が登録された2つのグループのデータを収集しました。
最初のグループの人々は、COVID-19と診断される前に2週間から6ヶ月間インフルエンザの予防接種を受けました。
2番目のグループの人々もまた、COVID-19に感染していましたが、インフルエンザの予防接種は受けていませんでした。
研究者らは、敗血症、脳卒中、深部静脈血栓症(DVT)として知られる血栓、肺塞栓症、呼吸不全、呼吸窮迫症候群、関節痛について調査を行い、2つのグループ間の重篤な疾患の発生率を比較しました。
彼らはまた、腎不全、食欲不振、心臓発作、肺炎、救急医療機関での受診、入院、ICUへの入室および死亡の割合を評価しました。
彼らは、インフルエンザの予防接種を受けていない人は、ICUに入院する可能性が最大20%高く、救急治療室を訪れる可能性が最大58%高く、敗血症を発症する可能性が最大45%高いことを発見しました。
また、脳卒中を起こす可能性が58%高く、DVTを起こす可能性が最大53%高い結果となりました。
死亡リスクへの影響は見られませんでした。
この研究結果は、日曜日に欧州臨床微生物学および感染症会議のオンライン年次総会で発表されました。
医学会議で発表された研究は、通常、査読付きの医療誌に発表されるまで予備的なものと見なされます。
マーク・シーゲル博士はニューヨーク市にあるニューヨーク大学(NYU)ランゴーンメディカルセンター医学部の教授ですが、この研究には関与していませんでした。
彼は、次のように述べています。
「インフルエンザの予防接種は、血液凝固やその他の深刻な問題を引き起こすCOVIDによる機能不全の炎症反応を弱める方法で免疫系を刺激する可能性があります。」
と彼は述べました。
しかし、シーゲル博士は、COVID-19から身を守るためにインフルエンザの予防接種に頼ることはできないと指摘しました。
彼は皆にCOVID-19ワクチンを接種するように促しました。
「これはこれまでに発明された中で最高のワクチンです。驚くほど素晴らしいものです。」
と彼は述べました。
【以下のリンクより引用】
Flu Shot Might Help Ward Off Severe COVID
Healthday