インフルエンザの後遺症と新型コロナウイルスの後遺症は同様の結果が現れる
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが始まって以来、複数の臓器系を攻撃するそのウイルスの能力が広く研究で秋からになっており、その結果として、『コロナ後遺症(Long Covid)』として知られる一連の永続的でしばしば生活不能に陥る健康問題を引き起こす可能性があります。
今回、セントルイスのワシントン大学医学部とセントルイス退役軍人省医療システムによる新しい研究は、季節性インフルエンザで入院した人でも、特に肺や気道で長期にわたる後遺症に苦しむ可能性があることを示しています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とインフルエンザを引き起こすウイルスを比較した新しい研究では、感染後18か月で新型コロナウイルス感染症または季節性インフルエンザのいずれかで入院した患者は、死亡、再入院、そして多くの臓器系での健康上の問題が発生しました。
さらに、最もリスクが高かった時期は、最初の感染から30 日以降でした。
「この研究は、新型コロナウイルス感染症または季節性インフルエンザにより入院した後での、死亡者数、そして、大きな健康被害を起こす人の多さを示しています。」
と、主著者でワシントン大学の臨床疫学者であるジヤド・アル・アリー医学博士は述べました。
「感染後最初の30日以降は健康リスクが高くなるということに注意することが重要です。多くの人は、退院後は新型コロナウイルス感染症やインフルエンザが治ったと考えています。一部の人にはそれが当てはまるかもしれませんが、私たちの調査では、 どちらのウイルスも長期にわたる後遺症を引き起こす可能性があることを示しています。」
この研究結果は、12月14日付けの『The Lancet Infection infection』誌に掲載されます。
統計分析は感染後最長 18 か月にわたり、死亡、入院、主要臓器系に関わる 94 件の健康への悪影響についてのリスクの比較評価が含まれていました。
「新型コロナウイルス対インフルエンザに関する過去の研究のレビューは、短期的かつ狭い範囲の健康転帰に焦点を当てていました。」
とA セントルイス ヘルスケア システムそして ワシントン大学の医学部の助教授でもある、アル・アリー博士は述べました。
「私たちの新しいアプローチは、膨大な数の症状の長期的な健康への影響を比較しました。5年前には、「インフルエンザの後遺症」の可能性を調べることなど思いつきませんでした。 SARS-CoV-2 から私たちが学んだ主な教訓は、当初は短期間の病気を引き起こすだけだと考えられていた感染症も慢性疾患を引き起こす可能性があるということであり、この発見は、私たちが新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの長期的な結果を検討する動機となりました。」
「私たちは、インフルエンザに感染した人々にも後遺症が発症するかどうか、そしてその程度を知りたかったのです。」
とアル・アリー博士は言います。
「その大きな答えは、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの両方が長期的な健康問題を引き起こしたということです。そして、大きく納得したこととして長期的に健康を害することの大きさが、これらの患者が新型コロナウイルス感染症の初期段階で耐えてきた問題を覆い隠してしまったという認識でした。
新型コロナウイルス感染症の後遺症は、新型コロナウイルス感染症よりもはるかに大きな健康上の問題であり、インフルエンザ後遺症も、インフルエンザよりもはるかに大きな健康上の問題です。」
しかし、多くの臓器系における死亡、入院、健康被害の全体的なリスクと発生率は、季節性インフルエンザに罹患した患者よりも新型コロナウイルス感染症患者の方が大幅に高いとアル・アリー博士は述べました。
「1つの注目すべき例外は、インフルエンザが新型コロナウイルスより肺機能に高いリスクをもたらすことです。」
と同氏は述べました。
「このことは、過去100年間、私たち皆が考えてきたように、インフルエンザは実際には呼吸器系ウイルスであることを示しています。それに比べて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は肺系を攻撃する可能性があるという点で、より攻撃的かつ無差別ですが、あらゆる臓器系を攻撃する可能性があり、心臓、脳、腎臓、その他の臓器に致命的または重篤な病気を引き起こす可能性が高くなります。」
研究者らは、国内最大の統合医療提供システムである米国退役軍人省が管理するデータベース内の匿名化された医療記録を分析しました。
彼らは、2020年3月1日から2022年6月30日までのある時点で新型コロナウイルス感染症で入院した8万1,280人の患者に関する情報と、2015年10月1日から2019年2月28日までのある時点で季節性インフルエンザで入院した1万985人の患者に関する情報を評価しました。
患者にはさまざまな年齢、人種、性別が含まれていました。
どちらのウイルスでも、患者のワクチン接種状況は結果に影響しませんでした。
新型コロナウイルス感染症コホートの人々は、デルタ株以前、そして、デルタ、オミクロン株が流行していた時期に入院していました。
18か月の研究期間全体で、新型コロナウイルス感染症患者は季節性インフルエンザ患者よりも死亡リスクが50%高いことがわかりました。
これは、新型コロナウイルス感染症のグループの死亡者数がインフルエンザのグループよりも100人当たり約8人多いことに相当します。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は季節性インフルエンザよりも健康に悪影響を受けるのリスクが高いことを示しましたが、どちらのウイルスにも感染すると障害や病気の重大なリスクが伴っていました。
研究者らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が、すべての臓器系にわたって検査された健康状態の68%(調査された94件の有害な健康結果のうちの64件)のリスク増加を示したことを発見しました。一方でインフルエンザは健康状態の 6% (94 件中 6 件) のリスク上昇と関連しており、そのほとんどが呼吸器系の疾患でした。
また、18か月にわたって、新型コロナウイルス感染症患者は再入院や集中治療室(ICU)への入院のリスクが増加していました。
各グループの100人ごとに、新型コロナウイルス感染症による入院はインフルエンザよりも20人多く、ICUへの入院は9人多いことがわかりました。
アル・アリー博士は、次のように述べています。
「我々の調査結果は、人々が健康を損なうことでの全体的な負担を軽減する方法として、これら2つのウイルスによる入院のリスクを軽減するための継続的な対策の必要性を浮き彫りにしています。」
「新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの両方について、ワクチン接種は重篤な病気を予防し、入院や死亡のリスクを軽減するのに役立ちます。ワクチン接種の最適化は、どこの政府や医療システムにとっても優先事項であり続けなければなりません。 これは、高齢者や免疫力が低下している人など、脆弱な人々にとって特に重要です。」
新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの両方において、死亡と健康被害の半数以上は、急性期として知られる最初の30日間とは対照的に、感染後の数カ月間の間に発生していました。
「新型コロナウイルス感染症やインフルエンザが単なる急性疾患であるという考えは、人間の健康に対するより大きな長期的な影響を見落としています。」
とアル・アリー博士は述べています。
「パンデミックが発生する前、私たちはほとんどのウイルス感染症をあまり重要ではないとみなして軽視する傾向がありました。「病気になっても数日で治るよ。」的に。しかし、それは誰もがそうでないことがわかりつつあります。 長期にわたる深刻な健康問題を抱えてしまう人もいるのです。
私たちはこの現実に目覚め、ウイルス感染を軽く見ることはやめ、ウイルス感染が慢性疾患の主な要因であることを理解する必要があります。」
【以下のリンクより引用】
'Long flu' has emerged as a consequence similar to long COVID
Medical Xpress
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