ウーロン茶エキスで乳がんの予防
新しい研究では、ウーロン茶が乳がん細胞を損傷する可能性があること、そしてこのお茶を大量に摂取した場合、乳がんを発症するリスクが低いことがわかりました。
近年のスクリーニング手順や治療の進歩にもかかわらず、乳がんは依然として女性にとって最も一般的な疾患であり、癌による死亡では２番目に多い原因となっています。
アメリカがん協会（American Cancer Society）の推定によると、2017年に米国では25万人以上の女性が乳がんを発症し、4万人以上が死亡しました。
この研究では、研究者はまだより効果的な予防と治療戦略を必要としています。
また、化学療法の副作用を考えると、無害である代替品も大いに必要です。
こういった目的を念頭に置いて、科学者らは乳がんに対する緑茶の潜在的な利点を調査し、特定の化合物が抗がん作用を持つことを見出しました。
しかし、他の種類のお茶と乳がん予防におけるそれらの役割を調べた研究はほとんどありません。
この研究では、現在、ウーロン茶の潜在的な利点を調査しています。
ミズーリ州セントルイス大学の内科学科の助教授であるホワン・チュンファ博士は、この新しい研究を主導しました。
ホワン博士らは、彼らの調査結果をAnticancer Research誌に発表しました。
ウーロン茶は乳がん細胞にダメージを与える
ホワン博士らは、ER陽性、PR陽性、HER2陽性、およびトリプルネガティブの乳癌細胞を含む6つの乳がん細胞株に対するウーロン茶抽出物の効果を調べました。
研究者らは、これらの細胞をさまざまな濃度の緑茶、ウーロン茶、紅茶、および紅茶抽出物で実験を行いました。
ホワン博士らは、乳癌細胞の生存率を調べ、DNA損傷および切断、ならびに細胞の形態の他の変化を測定しました。
緑茶とウーロン茶の抽出物は、あらゆる種類の乳癌細胞の増殖を止めました。
対照的に、紅茶および紅茶抽出物は細胞に影響を及ぼしませんでした。ホワン博士と博士のチームは次のように結論しています。
「緑茶と同様ウーロン茶は、DNAの損傷や切断を引き起こし、乳癌細胞の増殖、成長、そして腫瘍形成に抑制的な役割を果たします。これは乳がんの化学予防薬としての大きな可能性を秘めています。」
ウーロン茶をよく飲む人と乳がんのリスク
さらに、科学者らは中国全土と福建省からの年間癌登録データを調べ、後者の地域の人々は全国平均と比較して、乳がんに罹患する可能性が35％少なく、死亡する可能性が38％少ないことを見出しました。
彼らはまた、定期的に大量のウーロン茶を摂取している人々は、福建省の平均発生率と比較して25％少なく、全国平均と比較して50％少ない可能性があると述べました。
最後に、全国平均と比較して、ウーロン茶を多く飲む人は若くして亡くなる確率が68％も低いことがわかりました。
「更なる研究が必要であることは明らかです。」と、ホワン博士は言います。
しかし、ウーロン茶の摂取量が多い地域には乳がんの発生率と死亡率が低いことから、ウーロン茶はその抗がん作用に大きな可能性を秘めていることがわかります。
「我々の結果から、緑茶と非常によく似たウーロン茶は、乳癌細胞の増殖、成長および腫瘍進行の抑制に役割を果たしていると思われます。」とホワン博士は結論付けています。
【以下のウェブサイトより引用】