エイズが1970年代にニューヨークで広がり始めたことが新しい研究で明らかに

アーカイブされた血液サンプルから採取した遺伝子は、米国においてのエイズの流行は、ウイルスが汚名を着せられた1人のフライトアテンダントによって決定的に1980年代初期に広がったと長年信じられていましたが、実は1970年代初頭にニューヨークで始まっていたことを示しています。

最初のいくつかのエイズの症例が1981年にロサンゼルスで確認される前、科学者たちはHIVが十年くらい長期間米国内で広がっていたのではないかと疑っていましたが、Nature誌に発表された新しい研究では、最初の遺伝的証拠のいくつかが示されています。

 「私達は今までに気づいたAIDSの最初の症例の起源を確認しようとしました。」と、研究を主導したアリゾナ大学の進化生物学者のマイケルウォロベイ博士は述べています。

入念に新しいアプローチを使用して、マイケルウォロベイ博士のチームはB型肝炎の研究に参加したゲイやバイセクシャルの男性から1978年から1979年に採取した8つのアーカイブされた血液サンプルでHIVウイルスの全遺伝子配列をつなぎ合わせました。

 チームはニューヨークとサンフランシスコの男性患者から採取したウイルスサンプルの遺伝的変化を追跡しています。
研究者らは、HIVウイルスが最初に北米の流行した際の発信地が、1970年頃、カリブ海からニューヨーク市に渡ったことがわかりました。
チームは「ペイシェント・ゼロ」からの完全HIV遺伝子コードを抽出するために同じ手法でフライトアテンダントを識別しました。
そして米国にHIVを大流行させた張本人として死後に中傷された 男性、ガエタン・デュガ氏は、エイズに侵された大勢の患者の一人にすぎなかったことが 決定的に証明されました。

デュガ氏が亡くなった後、彼の本を書いたシルツ氏は、ウイルスを拡散させた張本人だとし各メディアは彼を悪者として報道しました。しかし、新しい研究ではそれを示唆する生物学的証拠はなく、北米におけるHIV流行の主な原因だったとはしていません。

デュガ氏は、クラスタに属する最初の40人の男性同性愛者の疾患が性行為によるものと同定された米国疾病管理予防センターによる研究を通じてエイズの流行に関係していました。
彼は流行の発祥地であるカリフォルニア州以外（Outside-of-California）に居住していたため、その頭文字「O」を意味する番号「0」をデュガさんの番号に付け加えて記載していましたが、それが後に、誤った解釈として最終的に、デュガ氏は最初の感染症患者を意味する「ペイシェント・ゼロ」として知られるようになりました。

「この人は、HIVが認識される前に、感染した数千人うちの1人にすぎなかったのです。」と研究の共著者、ケンブリッジ大学の公衆衛生史の専門家っであるリチャード・マッケイ氏は記者団に語りました。

ウォロベイ博士は、古い血液サンプルからHIV遺伝子を抽出して復元するために開発された技術は、古いDNAを同定するために使用される技術を借りているものだと述べました。

ひとたび遺伝コードを持つと、チームはウイルスによってなされた突然変異をそれ自体をコピーし評価しました。
これによりチームは、HIV系図を構築することができました。

ウォロベイ博士は、エイズは、最初にチンパンジーが20世紀初頭にアフリカにいる人間へ感染させたと考えています。
米国の流行の原因となったウイルスはその後、1960年代半ばにアフリカ放出されハイチや他のカリブ海の国で大流行を引き起こしました。

（記事元）http://www.nydailynews.com/life-style/health/new-study-reveals-aids-spread-america-article-1.2846054