エイズ免疫不全患者には抗生物質耐性細菌感染症が現れやすい
科学雑誌『PLOS
ONE』に発表された研究によれば、ノックスビル市にあるテネシー大学の研究者によって行われた研究で、有病率の高いエイズ免疫不全状態の人々において、抗生物質耐性細菌感染症が現れる可能性がより高いことがわかりました。
テネシー大学の生態進化生物学科の教授であり、この研究の共著者であるニーナ・フェファーマン博士は、次のように述べています。
「免疫系が弱い人々は日和見的細菌感染に対してより脆弱であるため、これらの感染を予防または治療するために抗生物質を処方されることが多いのです。
これが、これらの細菌が抗生物質と接触する機会を増加させ、細菌が薬に耐性を持つように進化し、現在の深刻な『薬剤耐性疾患』の脅威の一つとなる可能性を示しています。」
この研究は研究当時、ニューブランズウィック州のラトガース大学のエコロジー、および、進化生物学の博士課程の学生だったアシュリー・デグレ氏が主導しました。
また、テネシー大学の生態学および進化生物学科の研究助手であり、大学付属の国立数理生物学研究所のケレン・マイヤーズ氏も研究に参加しました。
この研究では、2つの集団における抗生物質耐性の出現に対する影響を考慮するために、数学モデルを使用して以前行われた多くの研究の結果を統合および拡張しました。
2つの集団とは、人口の27.4%が、HIV / AIDSに感染していると報告されているアフリカのスワジランドと、HIV
/ AIDSの有病率は0.46%とはるかに低いと報告されている東南アジアのインドネシアです。
これらでの結果により、発展途上国の低所得群へ特に注意を払い、エイズとHIVのために免疫不全の人々の数が多い集団での疫学的なパターンについてより良く理解できます。
「この研究は、有病率の高いAIDS感染集団において、世界的に高まる薬剤耐性感染症のリスクに対抗するためには、抗生物質管理をどう異なるように調整されるべきかについて知らせることで、公衆衛生決定機関への情報の一つとなるでしょう。」とフェファーマン博士は述べました。
【以下のウェブサイトより引用】