エベロリムス、シロリムスは結節性硬化症におけるてんかんへの使用に安全
『European Journal of Pediatric Neurology』に発表された遡及的研究によると、
エベロリムスとシロリムスは一般的に優れた安全性プロファイルを持つため「結節性硬化症(TSC)」に関連した症状の管理には、益々使用されるようになるようです。
この研究のために、国際的な研究者チームは、TSCに罹患する小児患者において、mTOR阻害剤の、エベロリムスとシロリムスの利用法と安全性について調査を行いました。
TSCの徴候を伴う2歳未満の乳児と、小児の医療記録からの匿名化された患者データが分析されました。
この分析のために収集されたデータには、治療開始の理由、治療期間と投与量、治療反応、および有害事象に関する情報が含まれていました。
患者の87%にエベロリムスが使用され、患者の24%はシロリムス(ラパマイシン)で治療されました。
シロリムスで治療された患者のうち、約11%が以前にエベロリムスでの治療を受けていました。
mTOR阻害剤で治療を開始した最も一般的な理由は、てんかん(45%)、上衣下巨細胞星状細胞腫(39%)、横紋筋腫(7%)、そしてその他の過誤腫(4%)でした。
全体として、治療開始時の平均年齢は11.6歳(±7.6ヶ月)でした。
エベロリムスはシロリムスよりも若い年齢で頻繁に開始されていました(11.7歳±7.8か月、対16.1歳±7.2か月)。
治療を受けた患者の約78%にひとつ以上の、治療に関連した有害事象がみられ、エベロリムス群の方により多くの有害事象が見られました。
大部分の有害事象は軽度または中等度ものと見なされ、どちらの治療でも命に関わったり、死亡するといった深刻な有害事象は報告されませんでした。
合計で5人(11%)の患者は、肺炎または重度の上気道感染症などの感染症に起因する重篤な有害事象を示しました。
患者の20%がで有害事象のために治療を中止しました。
18%の患者には症状の改善や良好な反応が見られなかったものの、64%の患者には治療においての部分的な効果が報告されました。
【以下のウェブサイトより引用】