エンザルタミドは転移性ホルモン感受性前立腺癌に対する全生存期間を改善
アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会のプレナリーセッションで発表されたランダム化第3相『ENZAMET試験』での結果によると、
標準治療と組み合わせて使用されたエンザルタミドは転移性ホルモン感受性前立腺癌の男性の全生存期間(OS)を
他の非ステロイド系抗アンドロゲン薬と比較して、有意に改善しました。
「2014年までは、テストステロン抑制プラスマイナス標準の非ステロイド性抗アンドロゲン療法が、
転移性ホルモン感受性前立腺癌の唯一の治療法でした。」
と、ダナ・ファーバー癌研究所の腫瘍専門医で、
ハーバード大学医学大学院の教授である、クリストファー・スウィーニー博士は
プレゼンテーションの中で述べました。
「私たちは病気の(金銭的な)負担が高い患者はOSが短いことを知っていました。そしてそれは約70年間同じ状態でした。
改善を行った結果として、ドセタキセルとアビラテロンを併用した去勢抵抗性疾患に有効な薬剤を使用することでパフォーマンスが向上しました。」
研究者らは、ゴセレリン、デガレリクス、そしてロイプロリドを含むテストステロン抑制薬の標準治療に、
1日160mgのエンザルタミド経口薬の併用(n = 563)または、3つの標準的な非ステロイド性抗アンドロゲン薬(NSAA)ビカルタミド、
ニルタミドまたはフルタミド(n = 562)のうちのひとつを、1,125人の男性(年齢中央値、69歳)へ無作為に割り当て投与しました。
すべての患者のうち、NSAA群の249人の患者およびエンザルタミド群の254人の患者を含む、503人の患者がドセタキセルの早期投与を受けました。
OSが主要評価項目でした。副次的評価項目には、PSA PFS、PFSおよび有害事象が含まれていました。
追跡期間の中央値は34ヶ月でした。
結果は、他の3つのNSAAのうちの1つを受けた男性の72%と比較して、エンザルタミドを受けた男性の80%が3年後に
生存していることが示されました。
全体では、エンザルタミドを投与された男性は他のNSAAを投与された男性と比較して死亡リスクが33%減少しました。
重度の疾患である596人の男性のうち、エンザルタミド群の71%が3年後に生存していたのに対し、一方のNSAA群では64%でした。
軽度の疾患である529人の男性では、エンザルタミド群の90%が3年後に生存していたのに対し、一方のNSAA群では82%でした。
当初ドセタキセルを受けなかった男性では3年後の生存率が最大的に改善しました。
結果は、他のNSAA群での70%に対してエンザルタミドでは
83%が示されました。
この試験のデータから、転移性ホルモン感受性前立腺癌の男性には別の潜在的選択肢があることが確認されました。
ドセタキセルとアビラテロンとプレドニゾンの併用が有益であることも分かった今は、3つ目の選択肢があるようです。
これは、特に無症候性の少量疾患の患者で、特に糖尿病またはプレドニゾン禁忌がある人の間で、アンドロゲン枯渇療法を追加することが、
生存率を改善するための重要な選択肢となるでしょう。
【以下のウェブサイトより引用】