オピオイドを多く使用しても慢性痛は減らない
2020年5月21日(ヘルスディニュース)- オピオイド鎮痛薬の増量は、慢性疼痛のある患者に利益をもたらすようには思われないと研究者たちは報告しています。
「私たちが発見したことは、医療提供者と患者が求めている痛みの緩和は、その投与量を増やしても実際には変わらないということです。」
と研究著者であるアーカンソー大学医学部の助教授のコーリー・ヘイズ氏は述べました。
「利点はわかりませんが、リスクはわかります。私たちの全体的なメッセージは、線量の増加を考慮する際にそれがもたらすリスクも認識する必要があるということです。」
と、ヘイズ氏は述べました。
研究者らは、2008年から2015年の間にオピオイドを処方されたVA医療システムの50,000人を超える慢性疼痛患者の医療記録を分析しました。
彼らの症状には、関節炎、腰痛、首の痛み、神経痛、頭痛や片頭痛がありました。
研究期間中、約21,000人の患者のオピオイド投与量が増加しました。
これは、1日の平均投与量が20%以上増加することを定義しています。
これらの患者を、試験期間中、同じオピオイド投与を継続した32,000人以上の患者と比較しました。
研究者らは、オピオイド投与量を増やした患者は、同じ投与量を継続して摂取した患者と比較して、疼痛管理においては、有意義な改善がなかったことを発見しました。
この研究結果は、「臨床医が非癌性疼痛を管理するためにオピオイドの投与量の増加を行う際には細心の注意を払うべきである」ということが示されていると著者らは記しています。
この研究結果は最近、Pain誌に掲載されました。
最近、『Addiction』誌のオンライン版で発表された、同じ研究者グループによる研究では、高用量のオピオイドが特定の副作用のリスクを高めることを確認しました。
これらには、便秘、めまい、痛みに対する感受性の増大、薬物使用障害のリスクの増加が含まれます。
【以下のリンクより引用】
More Opioids Doesn't Mean Less Chronic Pain: Study
HealthDay