オメガ3サプリメントは本当に心臓に良い?
毎日、世界では何百万もの人々が心臓病の予防を期待してフィッシュオイルサプリメントを摂取しています。
しかし、これらの金色のカプセルは本当に効果があるのでしょうか?
大規模な統計が取られました。
オメガ3は魚などのシーフード、ナッツ類、そして植物油に含まれる一種の脂肪です。
より具体的には、3つの主な種類、アルファリノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、およびドコサヘキサエン酸(DHA)でオメガ3脂肪酸はできています。
ALAは必須脂肪酸です。人間はこれを体で作り出すことができず、食物から摂取する必要があります。亜麻仁油、大豆油、キャノーラ油、それにチアシードやクルミなどにもALAは含まれています。
長鎖オメガ3とも呼ばれるDHAとEPAは両方とも、鮭、サバ、マグロ、ニシン、イワシなどの脂肪分の多い魚や他の種類の魚介類に含まれています。
健康的でバランスの取れた食事の一部として魚を定期的に摂取する人は心疾患の危険性が低いことが研究によって示されています。
しかし国立衛生研究所(NIH)は、これらの利点が特に魚によるものなのか、オメガ3によるものかについての研究はまだ不確かであると説明しています。
審査ではこの問題については論じられていませんが、米国の何百万もの人々が心臓病の予防といった健康上の利点のためにオメガ-3や魚油サプリメントに目を向けています。
NIHの報告によると、事実、「魚油は2012年に米国で成人が摂取している最も人気のある天然食品」であり、米国の約1880万人が摂取しているといわれています。
しかし、サプリメントは実際にこの誇大広告のような価値があるのでしょうか?
既存の医学研究を評価する独立機関である『コクラン(Cochrane)』の研究者による新しいレビューでは、確認できる証拠を見ることによってサプリメントの利点を評価しています。
これはメタアナリシスの主執筆者であり、イギリスのイーストアングリア大学のノリッジ総合研究、栄養学、水分補給に関するエキスパートであるリー・フーパー氏によって行われ、調査結果はコクランライブラリーで発表されています。
80件近くの臨床試験をレビュー
フーパー氏らは79件、合計112,059人の参加者が集まったランダム化試験を検討しました。
この試験では、オメガ3サプリメントを摂取した場合での心血管系の影響を評価し、オメガ3の通常摂取量または低摂取量と比較しました。
ほとんどの研究において、参加者の何人かには魚油サプリメントが与えられましたが、その他はプラセボを服用しました。
また他の研究では、参加者は1年の期間中にオメガ3の摂取量を増やすように促されましたが、何人かの参加者は同じ量だけを摂取しました。
ALA摂取の影響を評価した試験の大多数は、介入群の参加者にはマーガリンなどのオメガ-3強化食品、またはクルミを含むALAが豊富な食品が与えられました。
そして対照群には、オメガ3の強化のない通常食が与えられました。
レビューでは、長鎖オメガ3サプリメントを摂取することは、何らかの原因による死亡リスク、心血管系の問題による死亡リスク、または冠状動脈性心臓病による死亡リスクに対して「ほとんどまたはまったく効果がない」ことが確認されています。
サプリメントはまた、心血管イベント、脳卒中、または不規則な心拍のリスクに「ほとんどまたはまったく影響を及ぼさない」とも報告されています。
ALAに関しては、クルミやマーガリンなどの強化製品からの摂取量を増やしても、「全死因または心血管系の死亡または冠状動脈イベントにはほとんど、またはまったく違いはないものの、心血管イベント、冠動脈死亡率、および心臓の不規則性はおそらくわずかですが減少します。」
と著者は結論を下しています。
しかし、この減少はごくわずかなので、1,000人が恩恵を受けるためにはALAの摂取量を増やす必要があるとも研究者らは述べています。
【以下のウェブサイトより引用】