オンタリオ州由来のキツネ、コヨーテによって広がる危険なサナダムシの研究
グエルフ大学の研究者による調査では、プレーリーにのみ存在すると考えられる命を脅かすサナダムシがオンタリオ州南部に広がっています。
サナダムシのような多包条虫は、それに感染したネズミなどのげっ歯類を食べるキツネとコヨーテによって広まります。
これらの野生動物が病気になることはありませんが、犬や人間に寄生虫が伝染することがあります。
そして、犬や人間には、肺胞エキノコックス症(AE)として知られる重篤な感染症を発症する可能性があります。
AEは感染した人の体内に病変を形成することがあり、治療しないでおくと致命的になることさえあります。
2月に新興感染症についての機関誌『Emerging
Infectious Diseases』に掲載されたこの研究では、この地域のいたるところにいる460匹のキツネとコヨーテの死骸を調べたところ、23%に多包条虫の存在が確認され、それは、寄生虫が何十年にもわたりこの地域に存在し、現在定着しているということを示しています。
研究の主任研究者であるアンドリュー・ペレグリン博士は本誌に、その結果、狩猟犬は特に寄生虫に感染する傾向があると語りました。
「通常、犬が感染すると、その犬は食欲を失い、嘔吐を始め、腹部に痛みを感じることがよくあります。」
とペレグリン博士は述べています。
犬は2つの方法で寄生虫に感染する可能性があります。
感染したげっ歯類を食べることによる感染、または感染したキツネまたはコヨーテの糞を食べることによっての感染。
感染したげっ歯類を食べても、犬は病気になることはありませんが、便に含まれる卵を介して感染を人間に伝染させる可能性があります。
コヨーテやキツネの糞を食べると、サナダムシの卵を摂取することとなり、それが肺胞エキノコックス症を起こす危険性があります。
寄生虫はもともと大草原にしか存在しないと考えられていましたが、2012年にオンタリオ州のゴールデンホースシュー地方で死亡した6匹の犬と3匹のキツネザルの中で初めて発見されました。
この研究では、オンタリオ州南部のほぼすべての地域、特にエリー湖の近くで感染した動物が見つかっています。
ペレグリン博士は、この研究は医師や獣医師が感染症を適切に診断するのに役立つはずだと述べています。
「歴史的に州内では見つかるはずがないと思われていたため、多くの医師は過去にこれを見逃していたかもしれません。」
と彼は言いました。
「ほとんどの医師にとって、あるいは専門家にとってでさえも、眼中になかったでしょう。今、私たちは人間の症例についても耳にし、寄生虫がどこで発生するかも知っています。」
何をすべきでしょうか?
ペレグリン博士は、オンタリオ州南部に住むの犬の飼い主は、寄生虫駆除薬プラジカンテルの使用について検討することを勧めています。
この薬は毎月投与することができ、寄生虫に感染した犬が、糞を介して寄生虫を拡散させることを防ぎます。
「定期的に駆除することで公衆衛生上のリスクを排除することができますが、それは、狩猟犬でげっ歯類を食べる犬にのみ必要です。」
とペレグリン博士は述べました。
ペレグリン博士は狩猟犬のオーナーに対して、犬をかわいがったり、糞を片付けた後には手を洗うことを勧めます。
彼はまた、自分のベッドで犬を眠らせないようにとも助言しています。
ペレグリン博士はまた、生死にかかわらずキツネやコヨーテと接触する人々は常に手袋を着用するべきであると提言しています。
【以下のウェブサイトより引用】