オーストラリアの研究でわかった「恥ずかしい」という概念による子宮頸がんの危険性
”検査をためらう”という気持ちにより、オーストラリアの女性の子宮頸癌の発症を高めている可能性があります。
全国1,000人の女性を対象とした調査では、女性の3分の1が子宮頸がん検診を「気まずい」と感じ、4分の1が「恥ずかしい」と感じているために
検診が遅れたりそれを避けたりしているようです。
オーストラリアでは、子宮頸がんを発症した80%が、検査が遅れ、または検査を受けたことがなかった女性に見られます。
女性に検査を受けるのに障害となるのは何であるかと尋ねると、10人に4人が、主に「痛みを伴う」、「露出しなければならない」ために
検査が不快だと感じるからだと述べています。
または検査過程自体を怖がっていたようです。
今年オーストラリアでは、推定951人の女性が子宮頸がんと診断され、256人が死亡しています。
1991年の全国スクリーニングプログラムや学校の予防接種プログラムの導入以来、この病気の発生率は大幅に減少していますが、
オーストラリアの女性全体のほぼ半数は検査が遅れています。
「今日のオーストラリアにおいて、女性は子宮頸がんで死亡するはずがありません。なぜならそれはほぼ完全に予防が可能であるはずだからです。」
と、オーストラリア子宮頸がん財団(ACCF)の最高責任者である、ジョー・トーマ氏は述べました。
ACCFが発表したこの調査では、調査対象者のほぼ半数が2017年に、スクリーニングプログラムが変更され、
2年置きのパップテストが5年置きのヒトパピローマウイルス(HPV)検査に置き換わったということを知りませんでした。
HPV検査はパップテストと全く同じように感じますが、細胞の前癌性変化を調べるのではなく、子宮頸癌の99%を引き起こすウイルスの存在を探す検査です。
この調査結果を踏まえて、ACCFは、オーストラリアが2035年までに子宮頸がんの撲滅という目標を確実に達成するために、
全国で検査受診率を高める全国キャンペーンを開始しました。
「女性が恥ずかしさのためや気づかなかったためにに亡くなってほしくはないのです。」
とトーマ氏は述べました。
「自ら危険を冒さないで下さい。」
去年の6月、サム・スミソンさんはステージ4の子宮頸がんと診断され1年しか生きられないという悲劇的な宣告を受けました。
「私は、医師が何か悪いところがあるとわかったのだとは思いましたが、こんな結果になろうとは思っていませんでした。」
と彼女は言いました。
「それはただの苦痛です。息子の成長を見ることはできないと思うのは恐ろしいことでした。」
「それが私が本気で治療しようと決心させたものだったと思います。」
サムさんは常にパップテストで自分の状態を確認し、広範囲の放射線療法と化学療法を受けました。
彼女は治療によく反応し、そして彼女の腫瘍はもはや検出できないレベルになりました。
「私はそれはいつか再発すると言われました。そして、もし再発が起きたらまた治療します。」
と彼女は言いました。
「しかし、現段階ではそれが良いニュースであり、そしてうまくいけば、それは良いニュースであり続けるでしょう。」
サムさんは今、子宮頸がんの認知度を高め、女性のスクリーニングへの参加を奨励する役割を果たしていると考えています。
「悲しいことに、誰もが“私には起こらない”または“私に起こるはずがない”と考えています。私は2人の子供を持つシングルマザーです。
確かに私は癌と戦わなければならないとは思っていませんでした。」
サムさんは、女性たちに子宮がん検診を躊躇せずに、検査を予約するように勧めました。
「そうですね。それは恥ずかしいかもしれませんが、癌になったと言われるよりも、少しけ恥ずかしい思う方が良いです。」
と彼女は言いました。
「リスクを取らないでください。そうする意味は全くありませんから。」
可能な範囲内での排除
昨年、医学雑誌The Lancetで発表された研究では、オーストラリアが2035年までに子宮頸がんを効果的に根絶した世界初の国になりつつあると報告されました。
その研究がHPVワクチンの開発に繋がったイアン・フレイザー博士は、オーストラリアは子宮頸がんの発生率を
大幅に引き下げることに大きな成果を上げましたが、まだ別に進む道があると述べています。
「それを現実にするために、私たちは国民予防接種プログラムによって適格な学齢期の男女での間でのHPVワクチン接種率を高く維持する一方で、
同時に子宮がん検査の受診率を50%から70%に高めなければなりません。」
男性と女性の両方がHPV検査を受信できますが、ほとんどの人はウイルスを持っていてもそれを駆除できます。
子宮頸がん検査を受ける際に女性が直面するいくつかの障壁を克服するため、2017年にはオーストラリアの全国スクリーニングプログラムに
自己診断プロセスが導入されました。
これは、検査を2年以上行っておらず、一般診療時に検査を辞退した30歳以上の女性が、膣の粘液を自分自身で、
診療所内で採取できそれを検査するというプロセスです。
一般診療医のジニ・マンスバーグ医師は、最も個別化された治療を確実に受けられるようにするために、
利用可能な検査方法について医師に相談するよう女性たちに勧めています。
「不快感を感じるのは全く普通のことです。検査を受けた40%以上の女性がそのように言います。それを行うことでどんなことが期待できるのか、
家族や友人と話すことが重要です。」
と
彼女は言います。
「さらに良いことに、医師は検査行程において、あなたを助けるために存在するのですから、気兼ねなく相談してください。」
ACCFは、2019年12月までに新しい子宮頸がん検査を確実に受診するように25歳〜74歳のオーストラリア人女性を促しています。
オーストラリアの『全国スクリーニングプログラム』の詳細については、こちらをご覧ください。
【以下のウェブサイトより引用】