カロリー制限、体温と寿命の関係
カロリー摂取を大幅に減らすことは、ほとんどの人にとって簡単なことではないかもしれませんが、それは寿命をのばすっことから、癌、心臓病、糖尿病、アルツハイマー病などの神経変性状態が発生する可能性をはるかに低下させることまで、多くの健康上の利点に結びついています。
スクリプス研究所(Scripps Research)のブルーノ・コンティ博士、およびゲイリー・シズダク博士が率いるチームによる新しい研究は、これらの、食事に誘発される健康上の利点を実現する上で、体温が果たす重要な役割を明らかにしています。
科学者たちはその発見を通じて、体温低下の貴重な効果を模倣する薬用化合物を作成する道を開きます。
この研究はScience Signalingで紹介されています。
素晴らしいなつながりができる
コンティ博士は長年、カロリー制限がより良い健康につながる方法と理由について研究を行ってきました。
最終的な目標は、その結果を、人が小食の時に自然に起こる現象を模倣できる薬剤に変換することです。
一貫した観察の1つは、哺乳動物はより少ない食物を摂取すると、体温が下がるということです。
それは、食料が再び利用可能になるまで私たちがエネルギーを節約するのを助ける進化の方法だとコンティ博士は説明します。
私たちが毎日食べるものの半分までが、中心体温を維持するためだけにエネルギーに変換されることを考えると、それは理にかなっています。
コンティ博士の以前の研究は、温度低下がカロリー制限とは関係なく寿命を延ばすことができること、そしてこれらの効果が特定の細胞プロセスの活性化を伴うことを示しました。
反対に、体温が下がらないようにすることで、カロリー制限によるプラスの効果は実際に打ち消される可能性があることが研究によって示されています。
特に、カロリー制限がされたマウスによる実験では、中核体温が同じままの場合、抗癌効果が減少しました。
「カロリー制限の有益な変化を引き起こしているものを見分けるのは容易ではありません。」
とコンティ博士は言います。
「自然にカロリーが減ったのか、それとも消費カロリーが少ないときに通常起こる体温の変化によるものなのか、それとも両方の組み合わせなのかどうかということです。」
代謝産物に答えがあるのかもしれない
新しい研究では、コンティ博士と彼のチームは、栄養素の減少と体温の影響を独立して評価できる実験を行いました。
彼らは、室温で保管されたカロリー制限マウスの1つのグループ(華氏約68度(摂氏22度))を86度(摂氏30度)で飼育された別のグループと比較しました。
温暖な環境では、ほとんどの動物が簡単に体温を下げることができない状態である「熱中性」が引き起こされました。
シズダク博士のチームは、彼らが開発した活性メタボロミクスと呼ばれる技術を使用して、その代謝産物、または動物の代謝によって放出される化学物質を測定することによってマウスを評価しました。
これにより、栄養素や体温の低下によって変化する血流や脳内の分子を探すことができました。
「私たちが収集したデータは、カロリー制限中の代謝に対して温度が栄養素と同等かそれ以上の効果があることを示しました。」
とコンティ博士は言います。
特に、チームは、温度低下によって変化する代謝産物の最初の包括的なプロファイリングを行いました。
両方のグループのマウスからの結果のコンピュータ分析を通じて、科学者は、どの代謝産物が深部体温の変化を引き起こすことに最も影響があるのかを優先することができました。
別の実験で、彼らはまた、体温に影響を与える薬物として特定の代謝産物を投与することが可能であることも示しました。
コンティ博士は、カロリー制限中に温度によって引き起こされる変化を検証するさらなる研究が、体温を下げる必要なしに健康促進効果を提供できる、
「温度模倣薬」と呼ばれる将来の医薬品に新しい目標が定められるはずだと述べています。
【以下のリンクより引用】
Linking calorie restriction, body temperature and healthspan
Medical Xpress