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カンジダアウリス - 危険な薬剤耐性真菌は増加傾向

カンジダアウリス(C.アウリス) という新種の真菌は、薬物耐性の性質を持つ、人間を悩ませる最新の有機体の一つです。
それは現在使用されている抗真菌剤に対して耐性があり、そして世界中でその出現が脅威とされています。 真菌は血流に入ることができ、生命を脅かす感染症を引き起こす可能性があります。

この新種の真菌は2009年に日本人患者で最初に分離され同定されました。
東京の病院に入院した70歳の女性は、従来の抗真菌薬では治療が困難であった耳の滲出性感染症があることが判明しました。
そして C.アウリスが感染部から単離されました。
微生物学者の牧村博士らによって耳に関連するという意味の「アウリス」と命名されました。
それは、何年にもわたって出現し続け広がって行きました。そして、それは一般的に病院や老人ホームで見られました。

米国疾病管理予防センター(CDC)によると、ニューヨーク州、ニュージャージー州、およびイリノイ州などから、米国では確認されたC.アウリス感染症は587症例でした。
感染はインド、パキスタン、スペイン、南アフリカ、ベネズエラなど約15カ国に広がっています。
C.アウリス感染の主な問題はその耐性という性質です。
それは治療に利用される主要な抗真菌薬に抵抗を示します。

現時点では、90%以上のCアウリス感染症が少なくとも1種類の抗真菌剤に対して耐性があり、約30%が2種類以上の抗真菌剤に耐性があります。
これにより真菌感染を治療するのが難しく、一度施設で検出されると根絶するのが難しいことを意味します。

C.アウリスは一般的に高齢者、乳児または新生児そして免疫システムが弱い人々に影響を与えます。
これらの人々はまた、感染症がなかなか治療できない可能性が高いのです。
健康な人は、C.アウリスに感染する可能性は低いのですが、感染症は一般に発熱、体の痛み、悪寒、疲労感などを引き起こします。  

C.アウリスの脅威
CDCは、カンジダは一般的な真菌であるが、この種の真菌は生命を脅かす可能性があるとし、この真菌を「深刻な脅威」リストに追加しました。
CDCは、C.アウリスに感染した症例の50%近くが感染してから90日以内に死亡したと述べています。
CDCの真菌感染症部門の責任者であるトム・チラー博士は、次のように述べています。
「それはブラックラグーンからの生き物です。泡立っており、今はいたるところにあります。」
そして、パニックを恐れて何年にもわたってこの事実は公に発表されたことはありませんでした。 

C.アウリスの歴史
昨年、『The Lancet伝染病』誌に発表された、「米国における多剤耐性カンジダアウリスの複数回の介入とその後の感染:分子疫学調査」という研究によると、
カンジダアウリスの伝染は2013年5月11日から8月の間に報告されました。

ナンシー・チョウ博士が率いる著者らは、その広がりとその遺伝的多様性を理解するために、米国10州の患者からのC.アウリスの分離株の遺伝子を調べる分子疫学調査を実施しました。
分離株が入手された州は、「カリフォルニア、コネチカット、フロリダ、イリノイ、インディアナ、メリーランド、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューヨーク、そしてオクラホマ」でした。
他の国で分離株の発見があったのは、コロンビア、インド、日本、パキスタン、南アフリカ、韓国、ベネズエラでした。

73例の臨床症例と60例のスクリーニング症例を含む合計133症例がありました。
その内訳は下記の通りです。

66例(90%)の症例が南アジア分離株からのものでした。
南アメリカの分離株からの5例(7%)
アフリカの分離株からの1例
東アジアの分離株からの1例
臨床症例のうち、60例(82%)がニューヨークおよびニュージャージー州からでした。

遺伝的にこれらは類似していましたが南アジアの分離株とは異なっていました。
米国からのものは、4つの世界的な地域からの分離株と遺伝的に類似していました。
それらは、旅行が原因で感染が発生した可能性がある一方で、遺伝的多様性につながった地元での感染も存在していたようだと推測した。 

昨年のさらに別のニュースリリースでは、カンジダアウリスの発生が再利用可能な温度プローブまたは温度計に関連していたと述べています。
2018年のBMJでのこのニュースは、英国の病院の集中治療室の患者の集団が汚染された体温計によって感染したことを示しました。

オックスフォード大学病院NHS財団トラストの主任研究員であるデビッド・エア博士は、声明の中で、
「再利用可能な患者用の機器は、医療現場でのカンジダアウリス感染の発生源となり得ることを示しています。」
と述べています。

 【以下のウェブサイトより引用】 
https://www.news-medical.net/news/20190408/Candida-auris-e28093-a-dangerous-drug-resistant-fungi-on-the-rise.aspx