クロミッドは男性の不妊症に効果的?
クロミッドは、医師が女性の不妊治療に使用するクエン酸クロミフェンの先発品のブランド名です。
しかし、時にこの薬は、不妊症の男性にも適応外で処方されることもあります。
不妊症は、男性と女性の両方に影響を及ぼす可能性があります。
国立小児衛生研究所によると、不妊の原因には次のようなものがあります。
・3分の1が男性側の生殖の問題
・3分の1が女性側の生殖の問題
・更に3分の1は、不明であるか、男性と女性の両方の生殖の問題
医師は、1年間、試みても妊娠できない場合は不妊症であると考えます。
この記事では、クエン酸クロミフェンとは何か、不妊症の男性に効果があるかどうか、医師がそれを男性に処方するタイミングについて説明します。
また、その副作用と他の男性の不妊治療についてもご紹介します。
クエン酸クロミフェンとは何でしょうか?
クエン酸クロミフェンは、卵巣刺激薬の一種です。
医師は通常、女性の不妊症を治療するためにこの薬を処方します。
クエン酸クロミフェンは、女性ホルモンであるエストロゲンと同様の働きをします。
この薬を服用すると、排卵、または卵巣からの卵の放出が促進されます。
これは、排卵の問題のために妊娠が困難な女性の生殖能力を高めるのに役立ちます。
食品医薬品局(FDA)は、女性の不妊治療のためにクエン酸クロミフェンを承認しています。
しかし、医師は時々不妊症の男性を治療するためにこの薬を適応外で処方することもあります。
「適応外」というのは、FDAがこの特定の薬物の使用を承認していないことを意味します。
男性にも作用しますか?
男性においては、クエン酸クロミフェンは、黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)のレベルを増加させます。
これらのホルモンは生殖能力にとって重要であり、男性と女性の両方に存在します。
LHは男性のテストステロンの放出を促進します。
FSHは、精子産生の第一段階、もしくは、精子の形成において重要です。
体内のこれらのホルモンのレベルを上げると、テストステロンが増加し、精子数が増えます。
しかし、ホルモンの相互作用は複雑であり、現在、LHとFSHの追加投与が男性の生殖能力に直接影響するかどうかを知るための十分な研究がありません。
クエン酸クロミフェンの服用は、一部の男性には有効ですが、別の男性には有効ではないことがあります。
2015年のあるレビューによると、男性不妊症に対するクエン酸クロミフェンの服用の有効性を試験する臨床研究の結果は様々なようです。
この薬により、男性によっては、精子の運動性を改善する可能性があります。精子の運動性とは、精子が卵子へ受精するために、女性の生殖システムをどれだけうまく動くかということを指します。
ただし、クエン酸クロミフェンを使用すると、一部の男性の総精子数が減少する場合があります。この減少は、薬物の投与量に関連している可能性があります。
FDAは、男性の不妊治療のためにクエン酸クロミフェンを承認していないため、承認されている最適な投与量がありません。
このため、医師はこの薬を処方する場合、医師自身の判断に頼る必要があります。
ただし、研究からは、1日あたり12.5mg〜400mgの用量が推奨されています。
3件の研究を含んだ小規模のメタ分析では、1日50 mgの用量が受胎能力を改善することがわかっています。
また、男性がこの薬を服用する期間についても、合意された期間というものがありません。
研究者は、クエン酸クロミフェンが男性不妊症の治療に有効かどうか、治療を行う、男性不妊症の種類、および理想的な用量を決定するために、さらに研究を行う必要があります。
【以下のウェブサイトより引用】
Does Clomid work for male infertility?
MEDICAL NEWS TODAY