コレステロール値を下げるために使用される一般的な薬にCOVID-19の重症度を下げる可能性

カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の新しい研究では、スタチン薬を服用している患者は、COVID-19による院内死亡のリスクが41％低いことが確認されています。

この調査結果は、2021年7月15日にPLOS ONEで公開されましたが、2020年にカリフォルニア大学サンディエゴ校で実施された以前の調査を拡大したものです。

スタチンは、一般的にはコレステロールの生成に関与する肝臓酵素を阻害することにより、血中コレステロール値を下げるために使用されます。

この薬剤の種類は広く処方されています。

疾病管理センターは、コレステロール低下薬を使用している患者の93％がスタチンを使用していると推定しています。

「パンデミックの最初の頃にこのウイルスに直面した際、スタチンを含むこれらの特定の体のACE2受容体に影響を与える薬が、COVID-19のリスクに影響を与える可能性があるかどうかにつて多くの憶測がありました。」

と、カリフォルニア大学サンディエゴ校の心臓血管集中治療室の主任研究著者、教授、およびディレクターであるロリ・ダニエルズ医学博士は述べました。

「当時、スタチンは既知の抗炎症作用とウイルスの進行を停止させる可能性のある結合作用によって、SARS-CoV-2感染を阻害し、ウイルスの進行を停止させる可能性があると考えられました。」

アメリカ心臓協会のCOVID-19心血管疾患登録からのデータを使用して、カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、米国全体で10,000人以上のCOVID19により入院した患者というはるかに大きなコホートで、元の調査結果を検証しました。

具体的には、研究者は、2020年1月から9月までの9か月間に104軒の異なる病院でCOVID-19により入院した10,541人の患者について、匿名での医療記録を分析しました。

「このデータから、並存疾患、社会経済的状態、および病院の要因を管理するため、より高度な分析を実行しました。」

とダニエルズ博士は述べています。

「そうすることで、スタチンがCOVID-19で入院した患者のCOVID-19による死亡リスクの低下に関連しているという以前の発見を確認しました。」

ダニエルズ博士によると、ほとんどの利点は、心血管疾患や高血圧の病歴など、スタチンを服用しているという医学的理由のある患者にあるようです。

研究チームによると、スタチンまたは降圧薬の使用は、心血管疾患または高血圧の既往歴を持つCOVID-19による入院患者の死亡リスクを32％低下させたことに関連していました。

この研究では、統計的マッチング技術を使用して、スタチンまたは降圧薬を使用した患者と使用しなかった同様の患者の転帰を比較しました。

「2つのグループを可能な限り比較できるようにするために、病院の場所、入院月、年齢、人種、民族、性別、および既存疾患のリストを使用して、各患者を1人以上の同様の患者と照合しました。」

と、カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の生物統計学教授であり、共著者であるカレン・メッサー博士は述べました。

スタチンの調節標的であるACE2受容体は、血圧の制御に役立ちます。

2020年には、SARS-CoV-2ウイルスが主に同じ受容体を使用して肺細胞に侵入することが発見されました。

研究者によると、スタチンと降圧薬は、処方された基礎疾患を安定させ、患者がCOVID-19から回復する可能性を高めます。

「他の観察研究と同様に、スタチンの使用とCOVID-19感染の重症度の低下との関連性は、間違いなくスタチン自体によるものであるとは言えません。しかし、今は、COVID-19による患者の死亡リスクを大幅に低下させる役割として、スタチンの効力が出ている可能性があるという非常に強力な証拠があります。」

と述べました。

「私たちの研究結果が、患者が投薬が継続される動機となることを願っています。」

最初の研究には、カリフォルニア大学サンディエゴ校で治療を受けている170件の患者の匿名化された医療記録が含まれていました。

研究者は、COVID-19の入院前にスタチンを使用していた場合、感染症が重度となるリスクが50％以上減少することを発見しました。

アメリカ心臓協会のCOVID-19心血管疾患登録には、全国の140軒を超える病院からのCOVID-19の治療を受けた患者の匿名化された健康データが含まれています。

2021年7月の時点で、49,000件を超える患者記録からのデータがプラットフォームに提供されました。

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