コロナウイルスの恐怖とともに洗浄剤に関連する中毒が増加
2020年4月21日(HealthDay News)- 台所の流し台から出た有毒ガスにより、女性が病院に急送されました。幼児は手につけるための消毒剤を飲み込んで、救急医療機関で治療を受けています。
コロナウイルスに対する家の消毒に対してアメリカ人が神経質になるにつれ、こういった化学薬品の中毒による緊急事態の数も増えると、新しい政府の報告の中で述べられています。
「NPDS(アメリカ毒物管理センター協会, National Poison Data System)に報告された洗浄剤と消毒剤へ触れる機会は、2020年3月初旬から大幅に増加しました。」
と米国疾病対策センター(CDC)の研究者であるオーサー・チャン博士が率いるチームは述べています。
実際、NPDSに報告されたそのような中毒緊急事態の数は、昨年の同時期と比べて20%以上急増しています。
洗浄剤や消毒剤は細菌に対して有毒である可能性がありますが、混合したり不適切に使用したりすると、人々にとって有毒である可能性もあります。
「家と手をきれいにすることはCOVID-19のリスクを減らすのに重要ですが、救急外来へ運ばれる可能性がある有毒な物質への曝露を減らすために適切な予防策を講じることも重要です。」とニューヨーク市のレノックスヒル病院の救急医、ロバート・グラッター博士は述べました。
CDCチームによると、漂白剤は最も一般的に誤用されている化学物質の1つであり、COVID-19パンデミックが定着して以来、家庭内での不適切な使用による中毒が、その増加の最大の割合を占めています。
ある症例では、「成人女性が最近購入したすべての食料品を消費する前にきれいに洗ったという話を聞きました。」
とチャン氏のグループは述べています。
「彼女は行き過ぎて、台所の流しに10%の漂白剤溶液、酢、お湯の混合液を満たし、農産物を浸していました。」
その結果、煙がキッチンを満たし、女性は呼吸困難になり始めたために救急車を呼びました。
救急治療室に急送され、酸素と気管支拡張薬で治療されその後回復しました。
「漂白剤と酢を組み合わせると、有毒な塩素ガスが発生します。」
とグラッター氏は述べています。
「換気が適切でなければ、致命的となる可能性のある有害な毒に曝される危険があります。」
手指消毒剤も、子供にとっては問題となります。
CDCのチームによって記述された別の症例では、アルコールを使用した手の消毒剤を飲んで気絶した未就学児が病院に急送されました。
その女児の血中アルコール濃度は1dlあたり273mgに達し(ほとんどの州の飲酒運転制限は80 mg / dL)、集中治療室で一晩の治療が必要でした。
グラッター氏は、それは起こる必要のない悲劇に近いと述べました。
「それは、通常少なくとも60-70%のアルコールを含んでいるので、子供の両親は手指消毒剤に関連するアルコール中毒の可能性を理解することが不可欠です。」
と彼は述べました。
「子供たちは飲んでも大丈夫だと考える可能性があるため、リスクが最も高くなります。両親は、幼児の近くに手の消毒剤のボトルを決して置いてはなりません。」
グラッター氏はまた、次のように警告しています。
「手へのやけどは、過度のレベルのアルコールで作られたDIYの手指消毒剤によっても起こる可能性があります。これを防ぐには手袋を着用することが不可欠です。」
実際、彼は家庭で洗剤を使用するときは常にマスクと手袋をした上での使用を勧めました。
ケネス・スペース博士は、ニューヨーク州グレートネックのノースウェルヘルスで職業医学および環境医学の責任者を務めています。
CDCの報告書を読んで、洗浄剤と消毒剤に関してさらに注意が必要であることに同意しました。
そして彼は、家庭内のすべてのものを厳密に除染することが、本当に新しいコロナウイルスに対する最良の防御策であるかどうかについて疑問を呈しています。
「その代わりに、手洗いおよび、または、手指消毒は、COVID-19および他の多くの感染性病原体への暴露のリスクを低減する上で極めて重要です。」
とスペース氏は述べています。
「社会的距離、外出時のマスクの使用、および手指衛生は、ウイルスへの曝露リスクを低減するための3つの最も重要な対策です。」
この新しい報告は、4月20日にCDCの機関誌『Morbidity and Mortality Weekly Report』に掲載されました。
【以下のリンクより引用】
Poisonings Linked to Cleaning Products Are Rising Along With Coronavirus Fears
Healthday