コロナウイルスの発生がインドの製薬会社での供給問題を引き起こす
―ウイルスの流行は原材料の価格を引き上げ、製薬会社の中国への原料依存が明るみに―
コロナウイルスによるパニック買いや、中国での都市の封鎖による中国からの原料不足により、インドの製薬業界では多くの医薬品原料価格が高騰しています。
アジスロマイシンと他の主流の抗生物質の価格は、1月にアウトブレイクが公表されてから50%上昇したとインド北部の都市ジャランダルに本拠を置く製薬会社、Overseas Healthcare社の最高経営責任者であるラーフル・ソニ氏(Mr. Rahul Soni)は述べました。
「このウイルスの出現前は、輸入業者からの購入価格は1kgあたり7,300ルピー(約102 USドル)でした。今日は、1kgあたり10,500ルピー(約146.54 USドル)です。非常に高額となっておりそれは大きな問題です。」
とソニ氏は述べました。
中国は医薬品のグローバルサプライチェーンにおいて重要な役割を果たしています。
世界最大の医薬品輸出国の1つであるインドは、医薬品原料の70%を中国に依存しています。
多くの重要な抗生物質と解熱剤だけを見ると、依存性はほぼ100%だと専門家は言います。
中国のメーカーが流通規制と人員不足のために物資の供給が果ててしまい、価格はここ数週間で急騰しています。
「インドの顧客には、流行発生前の約2倍の料金が請求されています。原材料が不足していることもその一因です。」
と、中国の医薬品原料メーカーである济南泛诺化工有限公司(Jinan Finer Chemical Co)の関係者は述べています。
病気の流行に苦しむ湖北省と河南省の多くの化学工場が再開の承認を受けていないと報じられています。
コロナウイルスの発生が抑制できた場合、3月中旬までに通常の生産に戻ると推定されています。
もう1つの問題は物流です。
「済南社に戻ってきているトラック運転手は半分未満でありそれにより国内の他の地域から原材料の運搬能力が制限されています。」
と当局者は付け加えました。
グジャラート州バドダラにある非営利のジェネリック医薬品製造会社であるLow Cost Standard Therapeuticsの管理受託者である、S.スリニバサン氏(Mr. S. Srinivasan)は、ウイルスの発生当初からパラセタモールの価格がほぼ2倍になり、1kgあたり430ルピー(6 USドル)になった述べました。
「配給業者と取引業者は殺し合っています。」と彼は述べました。
インドの製薬会社は通常、原料の在庫は1か月から2か月分を保持しています。
スリニバサン氏は、多様化した医薬品ポートフォリオを持つ大企業は混乱を乗り切るのに適していますが、小規模企業はより脆弱で倒産に直面する可能性があります。
コロナウイルスの大流行により、インドから中国への依存が明らかになりました。それは、電子部品の輸入から機械や有機化学品に至るまで、中国へあらゆるものを依存しているのです。
2月16日のビジネスロビーグループであるインド産業連盟(CII)の報告書よると、インドの製薬会社は原材料の供給が尽きつつあるようです。
報告書は、輸入業者が中国から調達したパラセタモールの原料の供給を確保する際の問題に直面していることを見つけています。
「インドの製薬会社は発注はしているものの、配達状況については不明です。」とCIIは述べています。
中国の工場がいつ生産を再開するかについてが不確実であることは、インドの企業の生産計画を妨げているとインド製薬会社協会グジャラート州委員会のディレクターであるビランチ・シャー氏は述べました。
「公式のニュースがありません。」とシャー氏は述べました。
「中国の状況がより透明であれば、物事はより簡単になります。」
【以下のリンクより引用】
Coronavirus outbreak causes supply problem for India’s drugmakers
FINANCIAL TIMES