コロナウイルスは甲状腺に感染し炎症を起こすことがある
2020年5月22日 (ヘルスディニュース)- イタリアの医師によると、イタリアの十代の若者が新しいコロナウイルスによって引き起こされた痛みを伴う甲状腺感染症の最初の既知の症例になる可能性があります。
イタリア北部の都市ピサの研究チームは、18歳の女性の甲状腺が2月下旬にSARS-CoV-2ウイルス陽性と診断された数週間後に痛みが増し、拡大したと述べました。
甲状腺炎と呼ばれるこの状態は、ステロイド薬プレドニゾンで治療した後、1週間以内に完全に回復しました。
それでも、医師たちは新しいコロナウイルスに関連する「この追加の臨床症状の可能性について医師に注意を喚起する必要があることは確かです。」と、新型コロナウイルスに関連した研究について、ピサ大学病院の内分泌学者で研究リーダーのフランチェスコ・ラトロファ博士は、内分泌学会からのニュースリリースで述べています。
彼と彼の同僚は、調査結果を5月21日のThe Journal of Clinical Endocrinology&Metabolismにおいて発表しました。
「COVID-19には多くの驚きが示され続けています。」と、ニューヨーク市のスタテンアイランド大学病院の頭頸部外科の責任者で甲状腺専門家であるデビッド・ヒルツィク氏は述べました。
「それは体全体の非常に多くの異なる器官系に現れることが示されているので、甲状腺が、この病気によって影響を受けている他の多くの体の部分の1つに加えられるということは驚くことではありません。」
「ありがたいことに、甲状腺炎は簡単に治療できますのでそれほど心配する必要はありません。」
と、新しい研究には関与していなかったヒルツィック氏は付け加えました。
「そうは言っても、患者がウイルスに感染し首の痛みがある場合は、検査を受けるべきです。」
このイタリア人女性の場合、彼女の父親がCOVID-19で以前に入院していたため、彼女は2月28日に新型コロナウイルスの鼻腔スワブ検査を受けました。
テストは陽性になりましたが、彼女には最初、軽度の一時的な呼吸器症状のみが見られました。
しかし、3月17日までに、彼女は発熱、動悸、首の痛みを伴うピサクリニックを再度、訪れました。
首の痛みが悪化し、彼女の甲状腺は痛みを伴い拡大したと医師らは述べました。
検査では甲状腺炎が確認され、患者はプレドニゾンを与えられ、2日以内に首の痛みと発熱を和らげました。他の残りの症状は1週間以内に収まりました。
ラトロファ博士と彼のグループは、おたふく風邪、エプスタイン・バー、E型肝炎、HIVを含む無数の感染症で甲状腺炎が見られたため、SARS-CoV-2によりそういった症状が現れることは全く驚くべきものではないことを指摘しました。
しかし、彼らの知る限り、これは新型コロナウイルスに関連した最初の症例です。
ミニシャ・スード博士はニューヨーク市のレノックスヒル病院の内分泌学者です。
イタリアからの調査結果に目を通し、彼女はそれが「首の痛み、発熱および高い甲状腺ホルモンレベルの発症によって特徴付けられる、ポストウイルス性甲状腺炎の典型的な症状」であると述べました。
患者が経験した激しい首の痛みへ医師がプレドニゾンを処方したのだとスード博士は述べました。
ただし、より軽い症例では、非ステロイド性抗炎症鎮痛剤が最初に処方されることが多く、必要に応じて後からステロイドが処方されます。
いずれにせよ、「ウイルス感染後の症状の増加はCOVID-19または血栓性凝固などのCOVID-19の合併症に起因しているため、亜急性甲状腺炎の可能性を見逃してはなりません。」
とスード博士は述べました。
【以下のリンクより引用】
Coronavirus Can Infect, Inflame the Thyroid
Health Day