コンブチャが2型糖尿病患者の血糖値を下げる可能性

ジョージタウン大学保健学部とネブラスカ大学リンカーン校、そしてメッドスターヘルス（MedStar Health）の研究者らによって実施された臨床試験の結果によると、発酵茶飲料コンブチャを4週間飲んだ2型糖尿病患者は、同様の味のプラセボ飲料を飲んだときと比べて空腹時血糖値が低かったことがわかりました。

この発見は、12人による実現可能性試験のパイロット試験から得られたものであり、糖尿病患者の血糖値を下げるのに役立つ食事介入の可能性を示しており、また、これらの結果を確認し拡張するための大規模試験の基礎も確立しています。

この発見は、2023 年8 月1日に Frontiers in Nutrition誌で報告されました。

コンブチャは細菌と酵母で発酵させたお茶ですが、中国では紀元前 200 年にはすでに消費されていました。 米国では1990年代まで普及しませんでした。

免疫力とエネルギーの向上、食欲と炎症の軽減などの効果が支持され人気の商品ですが、これらの利点についての証拠は限られています。

「コンブチャに関するいくつかの実験室および動物研究では有望性が示されており、糖尿病のない人々を対象としたある小規模な研究では、コンブチャが血糖値を下げることが示されました。

しかし、私たちの知る限り、これは糖尿病患者でのコンブチャの効果を調査した最初の臨床試験です。」

と研究著者で、ジョージタウン大学保健学部人間科学の教授であり、同大学の医学部家庭医学の教授でもあるダン・メレンスタイン医学博士は述べています。

「更に多くの研究を行う必要がありますが、この結果は非常に有望です。」

メレンスタイン博士は次のように述べています。

「私たちの試験の強みは、人の食事の変動による影響を制限するクロスオーバー設計を使用したため、何を食べるべきかを人々に指示しなかったことです。」

クロスオーバー設計では、あるグループの人々に毎日約8オンス（約240ml）のコンブチャまたはプラセボ飲料を4週間飲み、その後、飲料の生物学的影響を「洗い流す」ための2か月の期間の後、これらのグループ間でコンブチャとプラセボを交換し、更に4週間飲み続けました。

どちらのグループも、その時点ではどの飲み物を受け取っていたかについては知らされていませんでした。

コンブチャは、4週間後の平均空腹時血糖値を164mg/dLから116mg/dLに低下させたようでしたが、プラセボとの4週間後の差は統計的に有意ではありませんでした。

米国糖尿病協会のガイドラインでは、食前の血糖値を 1dLあたり 70mg ～130mgにすることが推奨されています。

研究者らはまた、どの成分が最も活性であるかを判断するために、コンブチャに含まれる発酵微生物の構成も調べました。

研究者らは、この飲料は主に乳酸菌、酢酸菌、デッケラと呼ばれる酵母菌の一種で構成されており、それぞれの微生物がほぼ同量存在していることを発見しました。

この発見はRNA遺伝子配列決定によって確認されました。

「様々なメーカーの様々なコンブチャ製品に関するさまざまな研究により、微生物の混合物と存在量がわずかに異なることが明らかになりました。」

と、この研究の主任著者であるネブラスカ大学リンカーン校のロバート・ハトキンス博士は述べています。

「しかし、主要な細菌と酵母は繁殖性が高く、商品名や生産バッチの間で機能的に類似している可能性が高く、これは私たちの試験にとって心強いものでした。」

「推定9,600万人のアメリカ人が前糖尿病を患っており、糖尿病自体が米国の死因の第8位であるだけでなく、心臓病、脳卒中、腎不全の主要な危険因子でもあります。」

と筆頭著者のチャガイ・メンデルソン医学博士は言います。彼はメッドスター・ヘルスでの研修期間を終え、ジョージタウンにあるメレンスタイン博士の研究室に勤務していました。

「私たちは、一般的な飲み物が糖尿病に影響を与える可能性があるという予備的な証拠を提供することができました。

この試験で得られた教訓を生かし、さらに大規模な試験が実施され、血糖値を下げると言われているコンブチャの有効性についてより決定的な結果が得られ、それにより2 型糖尿病の予防または治療に役立つことを願っています。」

【以下のリンクより引用】

Drinking kombucha may reduce blood sugar levels in people with type 2 diabetes, pilot trial suggests

Medical Xpress

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