サナダムシ駆虫薬が前立腺癌に効果あり？

ノルウェーの研究によると、ニタゾキサニドには前立腺癌や大腸癌を殺す物質が含まれるそうです。

癌研究者は、何百もの既存の薬が癌細胞にどのように影響するかを調査してきました。

研究者らは、前立腺癌と結腸癌の細胞には大量の活性化したβカテニンが含まれていることを発見しました。
このタンパク質の活性化は、細胞を制御不能にさせ、高確率で分裂させる。
さらに、βカテニンは癌細胞の耐性を高め、生存率を上昇させます。

本研究で研究者らは、抗寄生虫薬としてよく知られ、承認された物質であるニタゾキサニドが、活性化したβカテニンを分解することを発見しました。

ベルゲン大学臨床科学科のカール・ヘニング　カランド教授は、次のように述べています。
「私たちはこのプロセスに関わる複雑な分子メカニズムを確認した最初の研究者です。」

よく知られている薬を使った今回の研究は、薬が細胞内でこれまでとは異なる、未知の働きをする可能性を示しています。

「承認済みの薬を調査することの利点は、その薬が人体に作用し、深刻な副作用がないことが既に分かっていることです。
これは将来的に治療に使える時期が早まる可能性があることを意味します。」とカランド教授は説明しています。

ニタゾキサニドは、活性化されたβカテニンを阻害することで癌細胞を攻撃します。
またこの妨害作用により、癌細胞を攻撃する免疫系の中心部が刺激されるようです。

「現時点では、今回発見したニタゾキサニドのメカニズムを用いて、前立腺癌に対する免疫療法の強化に取り組んでいます。」
とカランド教授は話します。

また、以下のように続けました。
「我々は、この特定の物質が癌細胞内のシグナル伝達経路を遮断し、それにより癌細胞の増殖を止めることを発見しました。
今回のように、特定の分子をこんなにも正確に標的とするような物質が発見されることはあまりありません。」

2017年11月16日, European Pharmaceutical Review, By Dr Zara Kassam
https://www.europeanpharmaceuticalreview.com/news/69416/tapeworm-drug-fights-prostate-cancer/