ジャディアンスが第3相試験をクリア -1型糖尿病への適用の可能性を示唆
【記事の概要】
- イーライ・リリーとベーリンガーインゲルハイムの糖尿病薬ジャディアンスは、1型糖尿病においての第2の作用を有する可能性があり一般的でない慢性症状の患者で行なった2つの第3相試験でインスリンに対する補完的治療として有効であることが証明されました。
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詳細な結果は明らかにされていないものの、イーライ・リリーは、2型糖尿病の成人の血糖値を下げるために米国で承認されたジャディアンスの3回の試験用量すべてについて、26週間の治療後にA1C基準値を低下させる主な有効性についての目標を満たしたと述べました。
- SGLT-2阻害薬を高用量投与すると、糖尿病性ケトアシドーシスがプラセボよりも多くなることが判明したものの、ジャディアンスの安全性プロファイルは以前の研究結果と一致していたようです。
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2型糖尿病の治療の進歩と比較して、米国で推定130万人におよぶ1型糖尿病の新薬は減少傾向にあります。
「最近のインスリン療法と患者ケアの進歩にもかかわらず、米国では、目標の血糖値を一貫して満たしているのは1型糖尿病の成人患者の3分の1以下にすぎません。」とベーリンガーインゲルハイムのプライマリケアの臨床開発および医療担当責任者であるトーマス・セク氏は述べています。
自己免疫疾患と考えられる1型糖尿病は、血糖の調節のため、インスリン注射を毎日必要とします。
ジャディアンス(一般名:エンパグリフロジン)における、イーライ・リリーとベーリンガーの研究は、この薬剤をインスリン治療に加えることがプラセボと比較した血糖値のコントロールに役立つかどうかについて検討しました。
ほぼ1,700人の患者がEASE-2およびEASE-3と呼ばれる2つの治験に登録されました。
両者とも26週間の治療後に主要エンドポイントに達し、A1Cのベースラインからのプラセボ補正された変更後の目標を達成しました。
しかし、欧州糖尿病学会の年次総会のある10月までは全容を確認することはできません。
2型糖尿病の治療薬としてのジャディアンスは商業的に勢いを増しています。
リリーが記録した売上高は、売上総利益率に占める割合が、2018年の最初の3カ月間で1億5100万ドルで、前年同期の2倍以上となりました。
ベーリンガーインゲルハイムは、昨年、ジャディアスの製品販売額が10億1000万ユーロ(約12億ドル)を記録し、この薬剤は最も多く、新規に処方されたSGLT-2阻害剤であると主張しています。
その薬剤クラスの中で、ジャディアンスはアストラゼネカのフォシーガ(ダパグリフロジン)、および、ジョンソンアンドジョンソン(Johnson&Johnson)のインボカーナ(カナグリフロジン)と競合しています。
投資会社コーエンが引用したデータによると、これら3つの薬剤のうち、ジャディアンスは、新規ブランドの処方薬の約40%を占めていることを示しています。
ジャディアンスのシェアは着実に増加しており、食品医薬品局(FDA)から、心臓血管疾患のリスクを低減する効能についての適応拡大が部分的に支持されています。
現在は、3つの薬剤のうちどれも1型糖尿病での使用が承認されていません。
リリーはそのことについて言及しており、また、ベーリンガーインゲルハイムはジャディアンスの1型糖尿病への適用のための 『次のステップと規制の選択肢の検討』を議論していると述べています。
【以下のウェブサイトより引用】