ジャディアンスは、心不全と腎臓病が密接している患者に有益
心不全と慢性腎臓病はしばしば密接に関連しています。
そして併発すると、死亡や入院のリスクが高まります。
イーライリリー社とベーリンガーインゲルハイム社の提携薬であるジャディアンスに関する新しい分析によると、この薬剤は心不全による死亡と入院のリスクを軽減すると同時に、腎機能の低下を遅らせることができます。
この分析は、心不全患者を対象としたthe partners' phase 3 Emperor-Preserved trial (パートナー試験)から得られたものです。
心不全を患っている米国の600万人のほぼ半数が慢性腎臓病にも苦しんでいるため、これは大勢の人々にとって画期的なことかもしれません。
両社は、パートナー試験は、心不全の全範囲にわたって転帰を大幅に改善することが証明されている承認された治療法はないと指摘しました。
「心不全と慢性腎臓病は密接に関連しています。心不全の人の死亡リスクは腎機能の低下とともに増加します。」
と、この試験の臨床研究者であるファイエズ・ザンナド医学博士は声明で述べています。
「慢性腎疾患の状態に関係なく、深刻な心臓発作を減少させることと腎機能の以下を遅らせることで示される一貫した利益は、患者と医師にとって歓迎すべき結果なのです。」
この研究では、患者の53.5%が腎疾患を患い、9.7%が重度の腎機能障害を患っていました。
ジャディアンスは、プラセボと比較して、心血管死または心不全による入院のリスクを低減しましたが、ベースラインでの慢性腎疾患の状態に関係なく、左心室駆出率が40%を超える心不全の成人での心機能の低下も遅らせました。
来年、リリー社とベーリンガーインゲルハイム社は、エンパグリフロジン第3相試験の結果を取得し、腎臓病の患者に対するジャディアンスの有効性をさらに調査します。
リリーの製品開発担当副社長であるジェフ・エミック医学博士は、声明の中で次のように述べています。
「このデータは、心不全と慢性腎臓病の両方を抱える人々の増加に伴う重要なマイルストーンを示しています。これらの人々の多くは、これらの相互に関連する複雑な状態に対して、更なる治療選択肢を必要としています。」
SGLT2阻害薬であるジャディアンスは、2014年に2型糖尿病の治療薬として最初に承認されました。
2年後、糖尿病患者での心血管死のリスクを減らすためにも承認されました。
8月、FDAは、駆出率が低下した心不全患者に対してジャディアンスを承認しました。そして、その後、リリー社とベーリンガー社は、糖尿病の有無にかかわらず、拡張機能障害を伴う心不全の患者に対してのジャディアンスの有効性を示すデータを発表しました。
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