スタチンと記憶障害の間に関連はなし
この調査結果は、スタチンが認知的健康に悪影響を与える可能性があるという懸念の中で発表されました。
研究によると、この薬は認知症のリスクがある一部の人の記憶力低下を防ぐことさえできるようです。
オーストラリアのガーバン研究所の臨床肥満、栄養、脂肪生物学の研究室のリーダーであるキャサリン・サマラス教授は、次のように述べています。
「これまで、高齢のスタチン使用者の認知に関する最も包括的な分析を実施してきましたが、コレステロール低下薬のスタチンが記憶障害を引き起こすことを裏付ける結果は見つかりませんでした。」
「多くの要因が、個々の症例報告に記載されている認知症状の一因となります。」
「この研究によりスタチンを処方された患者が薬についてより安心し自信を持って服用できるようになります。」
研究者らは、6年間にわたるスタチンの使用と記憶、および包括的な認知に関する変化を調査し2年間の脳容積の研究を行いました。
「私たちの発見は、健康な代謝が脳機能にとっていかに重要であるかを示しています。」
この情報は、心理学者と看護師によって6年間の期間で2年ごとに4回にわたって収集され、臨床医により心臓病、脳血管疾患、高血圧、2型糖尿病の診断が行われました。
参加者の薬と使用期間は、スタチンを「これまでに使用していた」と「使用したことがない」また、観察期間中でのスタチンを継続的に「使用している」または「使用していない」に分類されました。
1,037人の調査参加者は70歳〜90歳で、98%が白人、そのうちオーストラリア生まれが67%またはヨーロッパ生まれが18%でした。
一度も使用したことがない人が395人、かつて使用したことがある人が642人で、この642人にはベースラインで使用したことがある人と。研究期間中にスタチンの使用を始めた人が含まれていました。
参加者は平均して、9年間スタチンを服用していました。
この研究では、脳の変化を評価し、13種類のテストと脳のMRIスキャンを使用して、認知の5つの領域を測定しました。
Journal of the American College of Cardiologyに掲載された研究によると、6年間にわたる調査で、スタチンを使用している人と使用したことがない人の間で、記憶力の低下または包括的な認知速度に差はありませんでした。
さらに、研究者は、心臓病や糖尿病を含む認知症の危険因子がある人ではスタチンを使用しなかった同じ危険因子を持つ人と比較して、スタチンの使用により認知機能の低下を遅らせることを発見しました。
サマラス教授は次のように付け加えました。
「私たちの調査結果は、健康な代謝が脳機能にとっていかに重要であり、治療が健康な老化を促進するためにこれをどのように調節できるかを示しています。」
研究の観察計画、選択の可能性、生存者バイアスなど、この研究にはいくつかの制限が認められています。
【以下のリンクより引用】
There is no link between statins and memory loss, new research suggests.
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