スタチン系薬は手術の傷の治癒を早める。
心臓手術を受ける患者は手術によりできた傷の治癒が遅れることがしばしばあります。
コレステロールを下げる目的で使用されるスタチン系の薬は傷の治癒するスピードを速めてくれる可能性があることが報告されました。
アイルランドの小児病院のジェラルドフィッツモーリス氏は
スタチン系の薬はコレステロールレベルを保つために世界でもっとも広く処方されている薬のひとつです。
多くの科学者がスタチン系の薬が感染症、臓器移植など他の病気に適用できるか研究が行われています。スタチンは悪いコレステロール値(LDL)を下げ、血液脂肪(トリグリセリド)を減らし、
善玉コレステロール(HDL)のレベルを上げてくれますが
最近になり体の炎症反応に影響を与えることが指摘されています。
炎症は正常な創傷の治癒プロセス4つのうち2番目に当たります。
もしスタチンが炎症の治りを促進してくれる場合には心臓手術による傷の治癒が遅い患者達に大きな助けになると考えられています。
過去の研究によるとスタチンは確かに炎症への影響は確認でき、
治癒の期間は平均して18.7日から13日まで短縮されていました。
スタチン系の薬の使用は傷跡を小さくする可能性も示唆されていました。
心臓血管外科手術による特定の傷後はスタチン療法が大いに役立つだろうと考えました。
この手術は脚の傷、腕の傷、脚の傷などを含みます。しかしこれ以外多くの傷に対しても有効である可能性があります。しかし過去の研究では動物を対象とした実験が主であり、人に対してのデータが不足していました。
しかしランダム化比較二重盲検を行うことが必要だと研究チームは考えました。
スタチン系の薬は稀に深刻な副作用を引き起こし、それらは肝臓、筋肉などに損傷を与え、
さらに糖尿病リスク増加や神経に影響を与える場合もあります。
実験ではスタチン系の薬は手術の傷跡治癒を早めるにおいて有効であると結論が出ました。