ダニの季節にライム関連疾患のための有望な治療法が見つかる
年間約30万人がダニ咬傷を介してライム病に感染しており、そのうちの最大で20%の人が抗生物質投与後も症状が持続しています。しかし、ちょうどダニの季節に間に合わせるかのように、ジョンズホプキンス大学の研究者たちは、これらの患者のための有望な治療法に注目しています。時にひどい疲労、筋肉や関節の痛み、思考障害のひとつであるブレインフォグなどの症状がある患者のための最初の具体的な治療法になります。それはまた、こういった症状がライム病に関連しているということを長く証明することが困難であった研究者にとっても大きな一歩となるでしょう。
ライム病の治療法の進化
ライム病のほとんどの症例は、2〜4週間の、ドキシサイクリン、アモキシシリンまたはセフロキシムの治療コースで完治できます。研究者らは、持続性の症例がある5人に1人の患者を治療するために薬物の配合を試みました。しかし、2つの薬剤を混ぜ合わせても、すべての症例をなくすことはできませんでした。
新たな治療法の提案
現在、ホプキンスブルームバーグ公衆衛生大学院の研究者らは、治療後ライム病症候群と呼ばれる症状を治療するために、ダプトマイシン、ドキシサイクリン、およびセフトリアキソンの3剤併用により、マウス実験では成功を収めています。この新しい研究は、3月28日の『Discovery Medicine』誌に掲載されました。
残存細菌への新たなアプローチ
この知見は、成長が遅いライム細菌の一種、ボレリア・ブルグドルフェリが存続し、時には重度の関節炎様症状を引き起こすということからきてます。「残留」細菌は標準的な単一投与での抗生物質治療に対しては耐性であることがわかっています。研究者らは、特定の条件によってこれらの細菌が通常の急速増殖モードから増殖がほとんどまたはまったくない変異型に切り替わると考えています。過去の研究はまた、これらの変異体が正しい薬の投与で死滅することを示唆しています。
この新たなアプローチは、標準的な治療法では効果が限定される患者に希望をもたらす可能性があります。
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