デスクでの長時間労働は、隠れた高血圧と関連している
新しい研究では、デスクで長時間働くと、病院での測定値が正常であっても、未診断の高血圧を発症するリスクが高まることが示唆されています。
研究者が3,500人以上のホワイトカラー労働者に関するデータを分析した結果、職場で長時間を費やした人は、持続性高血圧の発症率が66%、いわゆる仮面高血圧(病院での測定時には正常であった血圧が、別の時間帯に高くなる症状)の発症率が70%高まることがわかりました。
「長時間労働は心臓の健康状態に影響する可能性を知っておく必要があります。日頃長時間労働をしている人は、医師に、ウェアラブルモニターを使用した血圧の経時的な測定を依頼すべきです。」と、この研究の筆頭著者であるXavier Trudel氏は声明の中で述べています。
彼はケベック州にあるラヴァル大学で、社会医学および予防医学の助教授を務めています。
「長期的には仮面高血圧をひきおこし、同時に心血管疾患発症リスクも上昇します。」と、Trudel氏は言います。
「私たちが行った過去の研究では、5年間にわたって仮面高血圧を患う5人に1人が病院では全く高血圧症状を示さず、診断や治療が遅れる可能性があることが示されていました。」
長時間労働が血圧に及ぼし得る影響を詳しく調べるため、Tordel氏とチームは、ケベック州にある3つの公的機関に勤め、主に保険業に携わる3,547人のホワイトカラーの労働者を募りました。
Trudel氏とチームは、1年目、3年目、5年目にボランティアの血圧測定を実施しました。
診療所での測定を模すため、研究者は職場のオフィスを使用し、各ボランティアの血圧を朝に3回測定しました。
朝の血圧測定後は、15分ごとに測定値を取得する血圧観察装置を装着し、同日に最低20回追加の血圧測定値を収集しました。
研究者は、模擬診療所で安静時に行った血圧測定値が140/90 mm/Hg以上の場合、および業務中の測定値が135/85 mm/Hg以上の場合に高血圧であると定義しました。
全体として、既に降圧薬を服用していた労働者を含め、ボランティアの18.7%が持続性高血圧を患い、13.5%が仮面高血圧を患い降圧薬による治療も受けていませんでした。
研究者が、職務ストレスや年齢、性別、教育レベル、職業、喫煙、肥満度指数(BMI)など、高血圧リスクに影響し得る要素から成る血圧データを分析した所、長時間労働が高血圧リスクを大幅に上昇することが判明しました。
職場で過ごす時間が少ない同僚と比較しすると、週49時間以上働くボランティアは仮面高血圧を患う可能性が70%、週41~48時間働くボランティアは51%高くなりました。
同様に、労働時間が少ない同僚と比べ、週49時間以上働くボランティアは持続高血圧を患う可能性が66%、週41~48時間働くボランティアは33%高くなったと、研究者はHypertensionで報告しています。
この新しい研究は、ペンシルベニア州ピッツバーグ大学医学部の教授であり、UPMC心臓血管研究所で高血圧プログラムのディレクターを務めるMatthew Muldoon博士の興味をそそりました。
Muldoon氏は、高血圧リスク上昇は、長時間座ったままでいることと関係しているのではないかと疑っています。
「そして確かに、長時間働く人はそれほど活発でない可能性があります。」と、彼は話します。
「雇用主は、労働者に休暇を与えたり、日中の身体活動を奨励することで、長時間労働の影響を相殺すると良いのではないでしょうか。」
この新しい研究結果は別の研究で再現する必要がありますが、この結果が出たことで、「長時間労働を行う患者の高血圧を検出し、症状に応じた治療を施したり、労働時間の短縮を促すためとの道が開かれた」Oscar Cingolani博士は話します。
彼はメリーランド州ボルチモアにあるョンズ・ホプキンス・メディスンで、高血圧プログラムのディレクターおよび心臓集中治療室の副ディレクターを務めています。
またこの調査結果は、他にも24時間観察を用いた血圧測定を行う必要がある患者が存在する可能性を示唆しています。
「この研究に基づくと、自宅での血圧測定観察の必要性を判断する上で、医師が患者の労働時間を確認することが近道となる可能性があります。」と、Mohamed Al-Kazaz医師は言います。
彼は、ニューヨークにあるマウント・シナイ病院の心臓専門医です。
出典 2019年12月20日更新 asia one『Long hours at a desk job linked to hidden high blood pressure』(2019年12月26日に利用)
https://www.asiaone.com/lifestyle/long-hours-desk-job-linked-hidden-high-blood-pressur
研究者が3,500人以上のホワイトカラー労働者に関するデータを分析した結果、職場で長時間を費やした人は、持続性高血圧の発症率が66%、いわゆる仮面高血圧(病院での測定時には正常であった血圧が、別の時間帯に高くなる症状)の発症率が70%高まることがわかりました。
「長時間労働は心臓の健康状態に影響する可能性を知っておく必要があります。日頃長時間労働をしている人は、医師に、ウェアラブルモニターを使用した血圧の経時的な測定を依頼すべきです。」と、この研究の筆頭著者であるXavier Trudel氏は声明の中で述べています。
彼はケベック州にあるラヴァル大学で、社会医学および予防医学の助教授を務めています。
「長期的には仮面高血圧をひきおこし、同時に心血管疾患発症リスクも上昇します。」と、Trudel氏は言います。
「私たちが行った過去の研究では、5年間にわたって仮面高血圧を患う5人に1人が病院では全く高血圧症状を示さず、診断や治療が遅れる可能性があることが示されていました。」
長時間労働が血圧に及ぼし得る影響を詳しく調べるため、Tordel氏とチームは、ケベック州にある3つの公的機関に勤め、主に保険業に携わる3,547人のホワイトカラーの労働者を募りました。
Trudel氏とチームは、1年目、3年目、5年目にボランティアの血圧測定を実施しました。
診療所での測定を模すため、研究者は職場のオフィスを使用し、各ボランティアの血圧を朝に3回測定しました。
朝の血圧測定後は、15分ごとに測定値を取得する血圧観察装置を装着し、同日に最低20回追加の血圧測定値を収集しました。
研究者は、模擬診療所で安静時に行った血圧測定値が140/90 mm/Hg以上の場合、および業務中の測定値が135/85 mm/Hg以上の場合に高血圧であると定義しました。
全体として、既に降圧薬を服用していた労働者を含め、ボランティアの18.7%が持続性高血圧を患い、13.5%が仮面高血圧を患い降圧薬による治療も受けていませんでした。
研究者が、職務ストレスや年齢、性別、教育レベル、職業、喫煙、肥満度指数(BMI)など、高血圧リスクに影響し得る要素から成る血圧データを分析した所、長時間労働が高血圧リスクを大幅に上昇することが判明しました。
職場で過ごす時間が少ない同僚と比較しすると、週49時間以上働くボランティアは仮面高血圧を患う可能性が70%、週41~48時間働くボランティアは51%高くなりました。
同様に、労働時間が少ない同僚と比べ、週49時間以上働くボランティアは持続高血圧を患う可能性が66%、週41~48時間働くボランティアは33%高くなったと、研究者はHypertensionで報告しています。
この新しい研究は、ペンシルベニア州ピッツバーグ大学医学部の教授であり、UPMC心臓血管研究所で高血圧プログラムのディレクターを務めるMatthew Muldoon博士の興味をそそりました。
Muldoon氏は、高血圧リスク上昇は、長時間座ったままでいることと関係しているのではないかと疑っています。
「そして確かに、長時間働く人はそれほど活発でない可能性があります。」と、彼は話します。
「雇用主は、労働者に休暇を与えたり、日中の身体活動を奨励することで、長時間労働の影響を相殺すると良いのではないでしょうか。」
この新しい研究結果は別の研究で再現する必要がありますが、この結果が出たことで、「長時間労働を行う患者の高血圧を検出し、症状に応じた治療を施したり、労働時間の短縮を促すためとの道が開かれた」Oscar Cingolani博士は話します。
彼はメリーランド州ボルチモアにあるョンズ・ホプキンス・メディスンで、高血圧プログラムのディレクターおよび心臓集中治療室の副ディレクターを務めています。
またこの調査結果は、他にも24時間観察を用いた血圧測定を行う必要がある患者が存在する可能性を示唆しています。
「この研究に基づくと、自宅での血圧測定観察の必要性を判断する上で、医師が患者の労働時間を確認することが近道となる可能性があります。」と、Mohamed Al-Kazaz医師は言います。
彼は、ニューヨークにあるマウント・シナイ病院の心臓専門医です。
出典 2019年12月20日更新 asia one『Long hours at a desk job linked to hidden high blood pressure』(2019年12月26日に利用)
https://www.asiaone.com/lifestyle/long-hours-desk-job-linked-hidden-high-blood-pressur