ニパウイルスの新たな脅威について専門家が警告
ロンドン(ロイター)- コウモリによって媒介される「ニパ」と呼ばれる致命的なウイルスは、すでに南アジアや東南アジアで、大発生を引き起こしており、「深刻な伝染病となる可能性がある」と、と世界の保健と感染症の専門家は述べました。
1999年にマレーシアとシンガポールで特定されたウイルスは、40%から90%の死亡率で、その発生を引き起こしバングラデシュやインドに及ぶ数千キロにまで広がりましたが、現在、それに対する薬物やワクチンはありません。
「発見から20年が経過しましたが、世界はニパウイルスによって引き起こされる世界的な健康脅威に取り組むために十分に装備ができていません。」
とCEPI疫病対策イノベーション連盟(CEPI Coedition for Epidemic Preparedness Innovations)のCEOであるリチャード・ハチェット氏は述べています。彼は、今週、シンガポールで開催されるニパ会議をリードしています。
CEPIは、病気の専門家と公設、私設団体、慈善団体、および市民団体とのパートナーシップを結んでおり、新たに出現した未知の感染症に対するワクチンの開発を加速させることを目的とし、2017年に設立されました。
その最初の標的はニパです。
これは主に特定の種類のオオコウモリとブタによって媒介されるウイルスで、人から人へ直接、また汚染された食物を介して伝染する可能性が指摘されています。
最初の発見から2年以内に、ニパはバングラデシュに広がり、2001年以降、幾度か大流行が見られました。2018年にはインドのケララでニパが発生し、17人が死亡しました。
「ニパウイルスの発生はこれまで南アジアと東南アジアに限定されていましたが、ウイルスを運ぶオオコウモリ(フルーツコウモリ)は20億を超える人口を抱える熱帯および亜熱帯地方で見られるため、このウイルスは深刻な伝染病を引き起こす可能性があります。」とハチェット氏は述べました。
彼は、ニパも人から人へと感染する可能性があるので、理論的には人口密度の高い地域でも広がる可能性があると述べました。
この致命的なウイルスに最初に焦点を当てた2日間の『二パ会議』は、CEPIとシンガポールにあるDuke-NUS Medical Schoolが共催し、月曜日から始まります。
「現在、世界保健機構(WHO)が優先疾患として特定しているにもかかわらず、ニパウイルス感染に対する特定の薬やワクチンはありません。」
と、Duke-NUS Medical Schoolの教授で会議の共同議長を務めるワン・リンファ氏は述べました。
彼は、この会議が専門家を刺激し、ニパの原因の発見が推進されることを望んでいます。
【以下のリンクより引用】
Health experts warn of emerging threat of Nipah virus
Reuters