パンデミックにより検査頻度が減った。その先に性感染症の急増は?
2021年5月27日(ヘルスディニュース)- 研究者によるとCOVID-19のパンデミックの間、米国では性感染症(STI)の検査が急激に減少し、それが将来の症例増加につながる可能性があるようです。
ペンシルベニア州立医科大学の公衆衛生科学の助教授である研究著者のケーシー・ピント氏は、次のように述べています。
「STIに感染していることを知らないことが感染の広がりを最も早めてしまいます。」
「無症候性である症例を検出できないことは、今後何年にもわたって悪影響がある可能性があります。」
とピント氏はペンシルベニア州立大学のニュースリリースの中で警告しました。
この研究のために、研究者らは、2019年1月から2020年6月まで、14歳から49歳の患者からの1,800万件を超えるSTI検査結果に関するデータをレビューしました。
そして、パンデミックの初期の数か月間に、男性で63%、女性で59%の検査率の低下が見られました。
著者によると、調査結果は、無症候性で疾患リスクのある人々が、パンデミック中にSTI検査、または治療をタイムリーに受けず、その結果として、症例を見逃している可能性があることを示唆しています。
この研究は最近、American Journal of Preventive Medicine誌のオンライン版で公開されました。
検査の減少により直接的な患者の治療が制限され、リモート医療へ移行したことが原因である可能性があると研究の著者は指摘し、検査の減少はSTI症例の将来的な急増につながる可能性があると付け加えました。
パンデミックの間、米国疾病予防管理センターは、症状のある患者を除いて、STI検査の中止を推奨しました。
しかし、研究著者は、クラミジアまたは淋病に感染した人の大多数(80%)が無症候性であるため、このガイダンスは有害であると述べました。
研究者によると、初期の頃の証拠では、外での性交渉がずっと活発であることが示されました。
STI検査がパンデミック前のレベルに戻ると、これらの感染症が増加する可能性があり、骨盤内炎症性疾患や不妊症など、より関連性の高い健康への影響につながる可能性があります。
「この研究は、パンデミックの最中であってもSTIを管理するための検査や治療を行うことの重要性を浮き彫りにしています。」
とピント氏は述べました。
「今後、医療提供者は、新たなCOVID危機への対応と、定期的な性感染症での医療サービスの継続においてのバランスを取る必要があります。それに加えて、COVID下での医療サービスを割り当てる際には、STI治療と介入の取り組みも検討する必要があります。」
と彼女は述べました。
【以下のリンクより引用】
After Testing Fell During Pandemic, Is a Surge in STDs Ahead?
Healthday