パンデミックによるPTSDから救済する方法

2020年6月2日（アメリカ心臓協会ニュース）-　コロナウイルスの第一波の後に、多くの場所で普段の生活の楽しみが戻ってきていますが、別の種類の病気がその直後に続く可能性があります。

トロント大学のヘルスネットワークの精神科医であり、トロント大学の精神医学の准教授であるリマ・スティラ博士は、次のように述べました。

「時間の経過とともに、私たちは、今後さらに多くのメンタルヘルスの問題を抱えることになるでしょう。」

「そして人々はそれをメンタルヘルスのパンデミックと呼ぶようになります。」

メンタルヘルスの問題に焦点を当てた財団であるWell Being Trustは、パンデミックが75,000人の自殺またはアルコール中毒による「絶望死」を引き起こす可能性があると予測しています。

誰もが問題を抱えているわけではないと専門家たちは言い、そして、そういった危険にさらされている人々をサポートする方法はあります。

しかし、過去の経験が警告を発しています。

2003年のSARSまたは重度の急性呼吸器症候群の流行の後、香港の研究では、生存者の40％が心的外傷後ストレス症状を示したことがわかりました。

スティラ博士は、SARSのためにトロントで検閲隔離された129人についての研究の共著者でした。

約30％には心的外傷後ストレス障害とうつ病の症状が見られました。

検疫期間が長くなるほど、症状が増しました。

ニューヨーク州精神医学研究所のPTSDプログラムの責任者であるユヴァル・ネリア氏は、現在のパンデミックの影響を予測するという点では、未知の領域にいると述べました。

「私はメンタルヘルスの影響がPTSDのみに限定されるとは思いません。」

とニューヨーク市のコロンビア大学医療センターの精神医学および疫学部門の教授でもあるネリア氏は述べました。

「実際、うつ病、不安、薬物乱用、自殺の可能性の増加など、他のメンタルヘルスの問題も予想されると思います。それらは既に何らかの形で現れています。」

私たちが家で自主待機している間もサービスを提供し続けている医療スタッフは、特に危険にさらされる可能性があります。

しかし、彼は次のように述べています。

「ここで学ぶことがたくさんあります。それは未知の大きな出来事であり、我々はそれに対して質の良い研究を必要としています。」

「たとえば、社会的支援なしに長期間孤立することは、この世界的なパンデミックで非常に独特なものです。」

何万人もの人々の死に続くいて起こる悲嘆の波もそうです。

戦争のトラウマに関する自身の経験がトピックを研究する彼の決定を導いた退役軍人であるネリア氏は、PTSDが戦争、自然災害、および9・11などの出来事をどのように続くのかを研究しました。

今回のパンデミックはそれらに似ています。

「災害は通常、空間と時間に限られている。そして、災害の始まりがあり時間がかかるかもしれませんが、終わりがあります。」

と彼は言いました。

「しかし、ウイルスは独自のやり方で私たちに逆境をもたらします。その脅威は曖昧です。どこにでも存在しえますが、しかしどこにも実態がありません。そしてなおも進行中です。長い時間がかかるのかもしれません。」

不安だけではPTSDにつながりません。それは、暴行や戦争経験、または集中治療室での治療などの生命への直接的な脅威のトラウマにより起こります。

症状には、フラッシュバック、悪夢、過敏または感情的な麻痺などがあります。

ネリア氏は、こういったリスクはメンタルヘルスシステム全体に重点を置く必要性を浮き彫りにしていると述べました。

特に、中毒、うつ病、PTSD、および悲嘆の治療方法については、医師はより優れたトレーニングを必要としています。

また、トラウマを経験しているすべての人がPTSDの影響を受けるわけではありませんが、彼は、そのリスクにさらされているのはウイルスにさらされる可能性が高い人々であると述べました。

「特に最前線の医療従事者、初期対応者、人工呼吸器やICUに滞在したCOVID患者です。」

『トロントSARS研究』の主執筆者であるローラ・ハウリル博士は、ストレスをよく理解しています。

スティラ博士のように、彼女はSARS発生中に患者を治療しました。

そして現在、患者を隔離しなければなりません。

「そして、愛する人々からの介護がなく、おそらくそういった人が周りにいない病気の患者のことを考えると、彼らの人生の最期の瞬間というのは、医療チームにとっては感情的に非常に困難なのです。」

COVID-19はより短期間でより多くの死者を出しました。

医療従事者はまた、防護服やその他の必需品の不足を心配する必要があります。

その上で、彼らは、食料品の入手から育児に至るまで、このパンデミックによって困難になった日常生活の側面への対処が続き、また、彼らは愛する人をウイルスに感染させてしまうのではないかと心配します。

彼女は、高いレベルの不安感、涙が出る、睡眠障害など、メンタルヘルスが危機的である症状を抱えている人は誰でも助けを求めるべきであると述べました。

また、彼らの家族は愛する人から目を離さず、必要に応じて援助を求めるよう声をかけるべきだとスティラ博士は述べました。

ハリーラック博士は、医療従事者が自己認識とサポートネットネットワークのを維持を推奨しています。

彼女はまた、彼レには、自分で対処できないと感じた場合は助けを求めるように勧めています。

トロント大学のヘルスケアネットワークのクリティカルケア医学の准教授であるハリーラック博士は、次のように述べています。

「医療従事者や第一線で活動するヒーローと呼ばれている人々へのサポートは、SARSの時に比べてはるかに多くなっています。」

「私たちはこういった強力なサポートには慣れていません。それは、私たちがこれまでに表現できていなかった以上のサポートを意味します。」

【以下のリンクより引用】

Health Day