パントプラゾールは有害事象に関連しない
機関誌『Gastroenterology』で発表された『ランダム化COMPASS試験』の結果によると、プロトンポンプ阻害薬(PPI)のパントプラゾールは長期に使用した後での有害事象には関連していませんでした。
この二重盲検試験には、毎日パントプラゾール40 mgまたはプラセボにランダムに割り当てられた17,598人の参加者が含まれていました。
すべての参加者には心血管疾患および末梢動脈疾患がありました。
また、参加者は、アスピリン100 mgを1日1回とともにリバロキサバン2.5 mgを1日2回、リバロキサバン5 mgのみ、またはアスピリン100 mgのみを1日2回にランダムに割り付けられました。
追跡期間の中央値は3.01年でした。
心筋梗塞、脳卒中または心血管の健康の複合転帰に関する試験でのリバロキサバン/アスピリン薬の主要な有効性転帰に有意差はありませんでした。
腸内感染とクロストリジウム・ディフィシル感染症を除き、パントプラゾールとプラセボの結果の間に安全性の差は認められませんでした。
腸内感染の割合は、パントプラゾールでは1.4%でしたが、プラセボでは1.0%でした(OR = 1.33; 95%CI、1.01-1.75)。
クロストリジウム・ディフィシル感染症の割合は、プラセボ群と比較してパントプラゾールを割り当てられた患者で2倍発生しましたが、その差は統計的に有意ではありませんでした。
カナダ・オンタリオ州・マクマスター大学の人口健康研究所のポール・モアイエディ博士が率いる研究者たちは、これらの結果は、PPIと肺炎、骨折、脳血管イベントとの関連を示す観察研究の系統的レビューとは対照的であると指摘しました。
「疫学でよく知られていることとして、関連は因果関係ではなく、これらのデータのほとんどは、観察研究には固有の残留交絡、またはバイアスに関連していることを示唆しています。」と研究者らは記しています。
「かなりの割合の患者がPPI治療薬を不適切に処方されており、そういった場合、酸の抑制を中止する治療法を行うことは合理的です。しかし、PPI治療薬に臨床的な必要性がある場合、これらのデータは、推定上のリスクを上回る利点が得られる可能性があることを示唆します。」
【以下のウェブサイトより引用】
Pantoprazole Not Associated with Adverse Events
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