ヒトの癌についての洞察を求めてクジラに目を向ける
2019年5月13日 月曜日(HealthDay News)
- 海に住む優しい巨人であるクジラは、人間がガンと戦う手がかりを教えてくれるかもしれないと研究者は言います。
加齢と体重は癌の危険因子として知られています。
そのため、地球上で最大かつ最長の種類がある動物であるクジラには、癌のリスクが高いと思われます。
しかし実際には、クジラは人間よりも、病気になったりそれにより死亡する可能性が低いため、科学者たちは彼らの癌防御がいかに効果的であるかを調査しています。
この研究のために、科学者らはザトウクジラ、シロナガスクジラ、ナガスクジラ、ナガスクジラ、マッコウクジラのゲノムを調べました。
彼らは、これらのクジラのゲノムのいくつかの部分が他の哺乳類のものより速く進化したことを発見しました。
これらの部分には、正常な細胞機能には欠かせない、細胞周期、細胞増殖、DNA修復を制御する遺伝子が含まれています。
ヒトの癌では、これらの遺伝子の多くが変異しています。
5月9日に分子生物学および進化学会の公式ジャーナルである『Molecular Biology and Evolution』に発表された研究によれば、
クジラのゲノムも腫瘍抑制遺伝子に多くの重複があります。
この情報は、人々の癌を予防するための新たな標的を特定するのに役立つ可能性があると、主執筆者のマーク・トリス博士は述べています。
彼はアリゾナ州テンピにある北アリゾナ大学の情報学、コンピューティングおよびサイバーシステム学部の助教授です。
例えば、細胞増殖を止めることができるクジラのタンパク質は、ヒトの腫瘍を縮小させる薬を開発するために使用できるかもしれません。
以前の研究では、ゾウでもガンの発生率が低いことが判明していますが、それを抑制するにはクジラとは異なるメカニズムがあります。
研究者によると、癌は恐竜をも悩ませていましたが、彼らも効率的な癌抑制を持っていた可能性が高いということも知られています。
「私たちの目標は、より良いがん治療法について私たちに知らせるために自然を得ることだけでなく、
一般の人々にがんの新しい見方を提供することです。」
とトリス博士は大学のニュースリリースで述べました。
「クジラとゾウが癌を克服するために進化したということ、そして恐竜がそれに苦しんだという事実は、
癌が何百万年もの生物の進化に渡り選択的な圧力であったことを示唆し、そしてそれは常に私たちと共存していたのです。」
【以下のウェブサイトより引用】