ビタミンAは一般的な皮膚がんの発生率の低下に関係
2019年7月31日(HealthDay News) - 皮膚癌を予防するために日焼け止めをつける以上にできることがあるのかどうかと思いますか?
新しい研究では、より多くのビタミンAを摂取すると効果があるかもしれないことが示唆されています。
約125,000人のアメリカ人を対象とした研究で、ビタミンAを最も多く摂取している人たちは、扁平上皮細胞癌のリスクを約15%低下させることがわかりました。
彼らが消費するビタミンAの大部分は食物から摂取されています。
「これらの調査結果は、果物と野菜を使った健康的な食事を摂取するためのもう1つの理由を追加するものです。植物由来のビタミンAは安全です。」
と、同研究の主任著者であるチョ・ウンヨン博士は述べました。
彼女はブラウン大学の皮膚科および疫学の准教授です。
米国国立衛生研究所(NIH)によれば、ビタミンAの健康的な食品には、サツマイモ、カンタロープ(マスクメロン)、人参、黒目豆、赤ピーマン、ブロッコリー、ほうれん草、乳製品、魚介類、そしてレバーに多く含まれます。
ビタミンAは脂溶性ビタミンです。それは脂肪細胞に集まります。しかしNIHによれば、サプリメントのように大量に摂取した場合潜在的に危険なレベルに達する可能性があります。
NIHによると、成人は1日に10,000国際単位 (I.U)を超えるビタミンAを摂取してはいけません。
チョ博士は、ビタミンA(通常はサプリメントや一部の動物性食品)の過剰摂取は、骨粗鬆症や股関節骨折のリスクが高まると述べています。
扁平上皮癌は皮膚癌の一般的な種類です。11%ものアメリカ人が一生のうちに扁平上皮細胞癌に罹患すると研究者たちは述べています。
それは、顔や頭など、日光の当たる体の部分で発生する傾向があります。
この調査には、看護師の健康調査に参加した75,000人以上の女性と、医療従事者の追跡調査に参加した約5万人の男性からのデータが含まれており、参加者の平均年齢は50代前半でした。
研究参加者は、彼らの平均的な食事とサプリメントの使用に関する情報を提供しました。
年齢が上の人にビタミンAのレベルが高い傾向がありました。
彼らはまたより多く運動を行い、アルコールやカフェインを消費することはほとんどありませんでした。
よりビタミンAレベルが高い女性は、閉経後ホルモンを投与している可能性が高いことがわかりました。
25年以上の追跡調査の間に、約4,000人が扁平上皮細胞癌に罹患しました。
両方の研究で最も低いグループでは1日の平均ビタミンA摂取量は約7,000 I.Uでした。そして最も高いグループは毎日21,000 I.U以上を持っており、その大部分は食事による摂取でした。
研究者らは、ビタミンAサプリメントの使用を増やしても扁平上皮細胞癌のリスクが低下するとは思われないと述べました。
ビタミンAは、ほくろの多い人や、子供の頃や思春期によく日焼けをしていた人には更に保護的であるようです。
研究は因果関係を証明するものではありませんでしたが、しかし、チョ博士はビタミンAが皮膚細胞を健康に保つように働くとようであり、そしてそれが扁平上皮癌の危険が低いということに関連する理由かもしれないと述べました。
しかし、彼女は、たとえビタミンAがふんだんに含まれた健康的な食事をしていても、外に出るときは、それでもまだ日焼け止めが必要だと付け加えました。
皮膚がん財団(Skin Cancer Foundation)のスポークスマンである、ニューヨーク市の皮膚科医デジリー・ラトナー博士は、肌を健康に保つためには日焼け防止対策が依然として重要であることに同意しています。
「この研究は有望に思えますが、現在の日焼け防止行動や勧告を変更するべきではありません。この研究に関与したグループは、各研究参加者がビタミンAを過剰に摂取した後にのみ、扁平上皮癌の発生率が、わずかに減少したことを示したにすぎません。」
さらに、ビタミンAは扁平上皮細胞癌を完全に予防するわけではないと彼女は言いました。
この研究では、基底細胞癌や黒色腫などの他の形態の皮膚癌に対するビタミンAの効果の調査はなされていません。
「皮膚癌から身を守るための最善の方法は、日陰を探す、防護服を着用する、毎日の日焼け止めを塗るなど、完全な日焼け防止対策を行うことです。」とラトナー博士は述べています。
この研究は7月31日に『JAMA Dermatology』のオンライン版で発表されました。
【以下のウェブサイトより引用】