ビタミンDレベルが低いと短命に？

2019年9月20日（HealthDay News）-　ビタミンDレベルが低い若いおよび中年の成人は、寿命が短くなる可能性があると大規模な研究では示唆しています。

調査結果は、78,000人以上のオーストリア人の成人での20年間の追跡調査から得られました。研究者は、血中のビタミンDレベルが低い人は、適切なレベルのあるの人よりも研究期間中に死亡する可能性がほぼ3倍高いことがわかりました。

死亡の原因ということでは、ビタミンDレベルは糖尿病の合併症による死亡と最も明確に関連していました。

調査結果は本日（金曜日）、バルセロナで開催された欧州糖尿病研究協会（the European Association for the Study of Diabetes）の年次総会で発表されることになっています。

専門家は、ビタミンDレベルが低い事、それ自体は人々の命を短くすることを証明していないと述べました。

しかし、この調査結果はビタミンDが不十分であることを、骨が薄弱になると長い間言われていたことを超えるさまざまな健康への影響に結び付ける多くの証拠を追加しています。

研究では、糖尿病や高血圧、特定の癌、多発性硬化症などの自己免疫疾患などの疾患のリスクが高いことも指摘されています。

「体内でのビタミンDの役割は、カルシウムの吸収と骨の健康を単に支援する以上のものであると思われます。」

と、この研究に関与しなかった登録栄養士のコニー・ディークマン氏は述べました。

しかし、この研究はまだ進化中だと、非営利の栄養栄養学アカデミーの会長を務めたディークマン氏は指摘しています。

つまり、ビタミンDの摂取を食物や錠剤を介して増やすことで、さまざまな病気を予防したり、寿命を延ばしたりできるかどうかについてはまだ不明なのです。

実際、New England Journal of Medicine誌で発表された最近の研究では、期待はずれの結果が出ています。

研究者は、ビタミンDサプリメントは病気のリスクが高い人々の2型糖尿病の予防に役立たないことを発見しました。

しかし、新しい研究の主任研究者であるロドリッグ・マルキュレス博士によると、年を取ってからサプリメントを摂取したのでは病気を予防するのに十分でない可能性があるためです。

オーストリアのウィーン医科大学のマルキュレス博士は、2型糖尿病を含む多くの健康状態が人生の早い段階で始まると述べています。

一方、ビタミンDサプリメントは病気で死ぬ確率には、もっと影響を与えている可能性があると彼は言います。

彼のチームは、血中ビタミンDレベルと早期死亡のリスクとの間に特に60歳未満の人々で、明確な関係があることを発見しました。

適切なレベル（50 nmol / L（1リットルあたりのナノモル））の患者との比較で10 nmol / L以下の患者では研究中に死亡するリスクがほど3倍でした。

対照的に、ビタミンDレベルが90 nmol / L以上の中高年層では、50 nmol / Lの人よりも死亡リスクが低いことがわかりました。

米国国立衛生研究所によると、一般に、50 nmol / L以上のビタミンD濃度は全体的な健康に十分であると考えられています。

研究者が死因に照準を合わせたとき、ビタミンDのレベルは心臓病と癌との弱い関連性のみを示したことがわかりました。

代わりに、低レベル（50 nmol / L）の人々は、適切なレベルの人々と比較して、糖尿病の合併症で死亡するリスクが4倍以上高くなりました。

理由は明らかではありません。しかし、マルキュレス博士は、ビタミンDレベルが特に糖尿病に関連しているというもっともらしい理由があると述べました。

体内でホルモンとして作用するビタミンは免疫系を調節するのを助けます。

そのため自己免疫疾患である1型糖尿病に関連するとマルキュレス博士は指摘しました。

ビタミンDは、血糖値を調節するホルモンであるインスリンを産生する細胞にとっても、インスリンに対する身体の感受性にとっても重要です。

また、それは2型糖尿病に関係があるとマルキュレス博士は指摘しました。

現在のところ、彼は、この発見は特に小児期および若い年齢のうちにビタミンD補給を強化するといった既に言われている非常に強力な理論的根拠をさらに強化するものだと述べました。

具体的には、彼は内分泌学会からの勧告を指摘しました。

彼らは、大人は1日あたり1,500〜2,000 IUのビタミンDを摂取し、子供と10代の若者は600〜1,000 IUを摂取することを示唆しています。

日光が肌に当たると、体は自然にビタミンDを合成しますが、寒い気候は日光へ当たることがあまりないという懸念があります。そして研究結果はその原因を制限する可能性があります。

ディークマン氏は、血中ビタミンDレベルをチェックするということを提案しました。

もしビタミンDのレベルが低い場合、サプリメントやビタミンD強化乳製品、ジュース、シリアルなどの食品を介してそれを高める方法があるので、医師に相談してほしいと彼女は述べています。

【以下のウェブサイトより引用】

HealthDay