フラボノイドはパーキンソン病の人の死亡リスクを減らすかもしれない
新しい研究によると、パーキンソン病の人は、ベリー類やココア、赤ワインなど色鮮やかな食品にに含まれるフラボノイドを食べると、食べていない人よりも死亡リスクが低くなる可能性があります。
具体的に、研究者らは、パーキンソン病(PD)とすでに診断された人がより多くのフラボノイドを摂取した場合、34年間の研究期間中に、それほど多くのフラボノイドを摂取しなかった人よりも死亡する可能性が低いことを発見しました。
さらに、彼らは、PDと診断される以前からフラボノイドをより多く食べていれば、男性では死亡するリスクが低いことに関連しているものの女性では関連がないことを見つけました。
「週に数食分のフラボノイドが多く含まれる食品を食事に加えることは、PDを持つ人々が平均余命を改善するのを助けるための簡単な方法である可能性があります。」
とペンシルベニア州立大学の栄養学博士号候補であるシンユァン・ジャン氏は述べました。
「フラボノイドアントシアニンが豊富なベリーと赤ワインの消費量が多いことは、特に死亡率の低下と関連していました。」
ジャン氏は、ワインの消費量は、アメリカ人の食事ガイドラインに概説されている量を超えてはならないことを指摘しました。
これは、女性が1日1杯、男性が1日2杯です。
この研究は本日、Neurology誌に掲載されました。
パーキンソン病財団によると、毎年60,000人以上がPDと診断されており、世界中で1,000万人以上がこの病気を抱えながら生活しています。
この病気は、脳が十分なドーパミンを生成しないことによって引き起こされ、震えやこわばり、そしてバランスの問題を引き起こします。
ペンシルベニア州立大学栄養学科の教授であるシャン・ガオ博士は、PDは致命的な病気とは見なされていないものの、その合併症が死亡リスクの増加につながる可能性があり、PD患者の食事が病気の予後にどのように影響するかを調べた研究がほとんどないと述べました。
「私たちのグループが行った以前の研究では、パーキンソン病でない人がより多くフラボノイドを摂取すると、将来的に病気を発症するリスクが低くなることがわかりました。」
とガオ博士は述べています。
「私たちは、フラボノイドの摂取が、すでにパーキンソン病と診断された人の生存をより良い方向へ向かわせることができるのかを、さらに調査しました。」
この研究では、研究者らは最近PDと診断された599人の女性と652人の男性に関するデータを分析しました。
研究参加者は、お茶やリンゴ、ベリー類、オレンジ、オレンジジュース、赤ワインなど、フラボノイドが豊富な特定の食品をどのくらいの頻度で食べているのかについて回答しました。
次に、これらの食品のフラボノイド含有量にそれらが消費された頻度をかけることにより、フラボノイドの摂取量を計算しました。
年齢などの要因と、消費総カロリーや全体的な食事の質などのいくつかの食事要因を調整した後、研究者は、フラボノイドを最も消費していた25%のグループの研究参加者は、消費量が最低であったグループよりも生存の可能性が70%高いことを発見しました。
最も消費量が高いグループの人々は、毎日約673ミリグラム(mg)のフラボノイドを消費していたのに対し、最も低いグループの人々では約134mgの消費量でした。
研究者らはまた、個々のフラボノイドの効果を分析しました。
彼らは、赤ワインとベリー類に含まれるアントシアニンを消費していた上位25%では、下位の25%の消費者と比較して生存率が66%高いことを発見しました。
さらに、リンゴ、お茶、ワインに含まれる『フラバン-3-オール』での上位25%の消費者は、下位25%と比較して69%高い生存率であることがわかりました。
ジャン氏は、この研究はこの関連を引き起こす可能性のある、根本的なメカニズムについては調査していないものの、いくつかの理論が提示されていると述べました。
「フラボノイドは抗酸化物質であるため、慢性神経炎症レベルを低下させる可能性があります。」
とジャン氏は述べています。
「また、酵素活性と相互作用してニューロンの喪失を遅らせ、死亡リスクの上昇に関連する認知機能の低下とうつ病を予防できる可能性もあります。」
研究者らは、今後の研究がPD患者でのフラボノイド消費と死亡リスクの背後にある、正確なメカニズムを見つけるのに役立つ可能性があると述べました。
【以下のリンクより引用】
Flavonoids may reduce mortality risk for people with Parkinson's disease
Medical Xpress
当社関連商品カテゴリー:パーキンソン