フランスがアルコール依存症治療のためのバクロフェンの使用を認可
フランスの保健機関は10月23日火曜日、アルコール依存症治療のための筋弛緩剤の使用を承認したと述べました。
フランス医薬品・保健製品安全庁(ANSM)は、2014年から実施されていた試験期間の後、1970年代に開発され、数か国で長年適用外使用がされてきたバクロフェンを、アルコール依存症治療薬として認可しました。
しかし当局は、この薬には有害な副作用が起こる可能性があると警告し、以前は1日300mgが投与制限であったところ、1日80mgまで減らしました。
批評家らは、この薬はアルコール依存症治療薬としての使用が十分に証明されていないと考えており、中には依存症を薬で止めようとする考えに疑問を呈する人もいます。
しかし、フランスの薬物監督機関は昨年、バクロフェンはアルコール依存症の治療に明らかな効果があることは示されていないものの、「一部の患者では臨床上の効果」を示したと述べています。
132人の大量飲酒者を対象とした裁判では、80%が禁酒した、または適度な飲酒をするようになったことがわかっています。
比較として、アルコール依存症の治療に一般的に使用されている他の2つの薬、ナルトレキソンとアカンプロセートの成功率は、20〜25%です。
フランス医薬品・保健製品安全庁の所長、ドミニク・マーティン氏は火曜日、「公衆衛生上のニーズ」を満たすには、「ケムストロ(Kemstro)」「リオレサール(Lioresal)」「ガブロフェン(Gablofen)」などのブランド名で販売されているバクロフェンの認可が必要だと述べました。
マーティン氏は、バクロフェンの認可を拒むことは、「アルコール依存症の深刻さと治療の必要性や、何千人もの人々が既にこの薬を使用している事実を踏まえると、合理的ではないように見える」と述べました。
この治療方法への関心は、米国で開業するフランス人の心臓専門医であるオリビア・アメイセンが2008年に出版した本をきっかけに巻き起こりました。
最後の飲酒を意味する「Le Dernier Verre」というタイトルのこの本でアメイセンは、
アルコホーリクス・アノニマス(米国にあるアルコール依存症者を解決しようとする自助グループ)やその他一般的な治療方法を試しても上手くいかなかったアルコール依存症治療を、高用量のバクロフェンを使用して成功させた経験を綴っています。
出典:2018年10月23日更新『France clears use of anti-spasm drug Baclofen to treat alcoholism』The Straits Times Europe(2019年4月24日に利用)
https://www.straitstimes.com/world/europe/france-clears-use-of-anti-spasm-drug-baclofen-to-treat-alc...