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プルカロプリドはSSc患者の胃腸症状を改善

Arthritis Research and Therapy誌に掲載された研究によると、ヨーロッパではレゾロール(Resolor)、カナダではレゾトラン(Resotran)という商品名で
市販されているプルカロプリドは、排便や腸内の便の通過、逆流症や膨満感、鼓脹を含む全身性硬化症(SSc)に関連する軽度から重度の消化管の症状を安全に改善できます。

医師は、SSc患者の治療において、運動促進性、すなわち消化管の運動性を改善するために薬を推奨します。
しかし、SSc患者の集団において薬物での治療の可能性を実証する適切な臨床試験がなく、それが医師の薬剤の使用を妨げていました。

米国の食品医薬品局(FDA)によって承認されている運動促進薬は、シサプリド(米国での商品名はPropulsid)ですが、それは、SSc患者における
上部消化管症状の管理および便の結腸通過の改善に役立つ可能性があることを示す研究は、小さなコホートでの研究でもはほとんどありません。

しかし、Propulsidはいくつかの国では市場が中止される深刻な心臓の副作用を引き起こす可能性があります。
一方で、科学者たちは心臓への有害な副作用がより少ない新しい運動促進薬を開発しましたが、
これらの薬はまだSSc関連の消化管機能不全の治療法としては研究されていません。

「全身性硬化症(SSc)関連腸管病変の治療におけるプルカロプリドの予備的な安全性と有効性プロファイル:オープンラベルクロスオーバー『PROGASS研究』の結果」
において、 イタリアの研究者らはSSc患者の小規模コホートにおいて、消化管症状を管理するための運動促進薬プルカロプリドの
可能性を評価しました。

PROGASS試験(Eudra CT 2012-005348-92)は、自己申告による重度の消化管症状がある軽度から中等度のSScの患者40人を対象としました。

研究者らは、1日2mgのプルカロプリドまたはプラセボ治療を受けるようにランダムに割り付けられました。
1ヵ月後、すべての参加者は2週間の休薬期間を経て、その後、他のグループと治療計画を切り替えました。

7人の参加者は、頭痛、腹痛、めまい、および気分が悪くなるなどの持続的な副作用のために投薬を中止し、
4人の患者はプロトコルに従わなかったため研究から除外されました。

プルカロプリドを服用している患者は、腸の動きを著しく改善しました。
彼らはまた、便秘や胃食道逆流症(GERD)の症状の発現が少なかったことが分かりました。

「研究参加者の約70%が治療の有効性を大変効果的、あるいは非常に効果的であると評価しました。」
と研究者らは述べています。

「正常結腸機能を定義するための閾値である、1週間に3回以上の排便が見られた患者の割合は、非治療群よりも治療群のほうが
はるかに高いことが分かりました。」

プルカロプリドを服用している患者はまた、膨満感が有意に減少したことを報告し、プラセボと比較して治療期間中で
完全な腸の運動の動きが見られた時間では、約65分、時間が短縮されました。

研究者らは下記のように結論づけています。
「プルカロプリドは、重度の便秘を伴う軽度から中等度のSSc患者には忍容性が高く、有効であるように思われ、排便を促進し、鼓腸を軽減し、
GERDを改善するように思われます。」

薬剤の投与で最も利益を受ける可能性のある人を識別するために、より広範な強皮症集団におけるプルカロプリドの有効性を評価するため、
更に大きなコホートを用いて、より長い治療期間が設定されたさらなる研究が依然として必要です。  

*この記事は、2017年8月当時のものです。

【以下のウェブサイトより引用】
https://sclerodermanews.com/2017/08/29/prucalopride-improves-gastrointestinal-symtpoms-ssc/