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ボトックスが術後の心房細動の予防に役立つ可能性

2018年12月5日水曜日(HealthDay News) - ボトックスには唇のボリュームを増やしたり顔のしわを最小化するといった以外の用途があります。
科学者たちは、心臓手術後の心房細動の予防に役立つ可能性があると述べています。

A-fib とも呼ばれる心房細動( 異常な心臓のリズム)は、心臓手術後に一般的に発生し、それは脳卒中や心不全に関連しています。
しかし、2つの新しい研究は、手術中のボトックス注射が一時的に心臓の神経束を凍結させ、危険な合併症を予防することを示唆しています。

ある研究では、各肺静脈の近くの脂肪パッドに注射されたボトックスにより、心房細動のオッズが64%、減少しました。 ボトックス自体が消散してからずっと後にになっても、その効果は約3年間続いたと主任研究者であるジョナサン・スタインバーグ博士は述べました。
「心房細動は通常、入院期間を延ばし、合併症を起こす可能性があります。他の薬物も試みられていますが、堅実で信頼のおける効果は出ていません。」
彼は、ニュージャージー州ショートヒルズにあるサミットメディカルグループのSMG不整脈センターの所長です。
彼の研究では、心臓バイパス手術を受けた60人の患者が無作為にボトックスまたは不活性プラセボのいずれかに割り当てられました。
すべての被験者に心房細動の発生を追跡する植込み型心臓モニターが装着されました。
ボトックス群では、術後すぐに心房細動のリスクが低下し、3年間の追跡調査で毎年5〜9倍低下したことを研究者らは見出しました。
また、追跡調査期間中にもプラセボ群と比較して、心房細動またはその治療が必要であるために入院したレシピエントは有意に少なくなりました。

ボトックスまたはボツリヌス毒素は、神経から筋肉へのシグナルを遮断します。
それは美容整形手術ではよく知られている手法です。
そして、何人かの医師は片頭痛、過度の発汗および目の筋肉の問題を含む神経学的疾患を治療するために使用します。

スタインバーグ博士は、心臓手術においては、この薬が「心臓の神経交通」を妨げるように見えると述べました。

彼は調査結果が治療への新しいアプローチを示唆していると考えています。
他の研究では、ネイサン・ウォルドロン博士らが、心臓バイパス手術の際に、ボトックスまたはプラセボのいずれかの注射を受けるために130人の患者を無作為に割り当てました。  
ノースカロライナ州ダーラムのデューク大学の助教授であるウォルドロン博士は、次のように述べています。
「心臓手術中に心臓周囲の脂肪パッドにボツリヌス毒素を注射することは心臓手術後の心房細動を軽減するため有望な戦略かもしれません。しかし、更なる研究が必要です。」  

ボトックスグループでの心房細動リスクの減少は統計的に有意なものではなく、わずか11%でしたが、その発症はより短く、それほどひどくなかったことを研究者は見つけました。
ウォルドロン博士のチームによると、この発見は研究の規模が小さかったためだろうとのことです。
グレッグ・フォナロー博士は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心筋症センターの所長であり、UCLA予防心臓学プログラムの副所長です。

手術後の心房細動リスクを低下させるための効果的で安全な治療法を開発することは難題だったと彼は述べました。
「これらの新しい研究は、適度な規模ではあるが、心臓手術中に行われたボツリヌス毒素の心外膜脂肪パッド注射が術後心房細動のリスクを低下させる可能性があることを示唆しています。」とフォナロー博士は述べました。
しかしながら、より多くの患者での追加の研究が必要であることも付け加えました。

【以下のウェブサイトより引用】
https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/atrial-fibrillation-959/botox-ma...