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ボランティアやその他良い行いにより体の痛みが軽減することが研究で判明

私たちは長い間、他人を助けることは自分自身を助けることに繋がると教えられてきました。
また、チャールズ・ディケンズは、次のように書いています。
「この世界で他人の負担を軽くする上で役に立たない人などいない」

そして科学は、このような利他的(見返りを求めることなく自分自身よりも他人の利益を優先する)行動が、実際に健康を改善することを示しています。

例えば、ボランティア活動はストレスを最小限に抑え、うつ病を改善することが示されています。
また、認知機能障害リスクを軽減することができ、これは長生きに役立ちます。

その他、他人を助けることは痛みの対処にも役立つようです。
2017年に行われたとある研究では、慢性痛を患う人がボランティア活動を行ったところ、痛みが軽減し、加えて目的意識が改善したことが報告されました。

新しい一連の研究では、その理由の一つが見つかった可能性があります。
痛みを伴う刺激に反応する脳の領域は、他人を助ける経験をすると、即座に活性が阻害されるようです。

「過去の理論や研究のほとんどにおいては、利他主義の長期的かつ間接的な効果が強調されてきました。現在の研究では、痛みの症状がある人が利他的行為を行ったことで、即座に良い効果が見られたことが実証されました。」と、研究著者は記しています。


<他人を助けることで痛みが減少する>
月曜日に全米科学アカデミー紀要で発表された研究では、287人を対象に、様々なシナリオにおける利他的行為が調査されました。

この調査でわかったことの一つは、、震災後に献血のボランティアを行った人は、定期検査を受けた人と比較して、大きな針を使用したにもかかわらず、痛みが少ないということです。
第二に、出稼ぎ労働者の子供達が使用するハンドブックの改定に時間を割いた人は、ボランティアを行わなかった人と比較して、寒さにさらされた時の痛みが少ないことがわかりました。

他の研究では、研究者が慢性痛を患うがん患者を患い、自分自身のために、もしくはがん治療センターにいる他人のために調理と清掃を行うよう依頼しました。
他人を助けていた時は、被験者の痛みのレベルが低下しました。
自分自身のために作業をしていた時は、痛みの軽減効果が62%以上減少しました。

最も有力な研究では、研究者が被験者に対し、孤児を支援するための寄付を検討するよう依頼しました。
寄付を行うことを選択した被験者は、自身が行った寄付がどの位役に立つかと考えられるかを評価するよう尋ねられました。
これらの被験者は手に不快な電気ショックを与えられた状態で、脳のMRIスキャンが実施されました。

調査結果では、寄付を行った被験者の脳内の疼痛処理センターは、寄付を行わなかった被験者のものと比較して、痛みの感覚に対する反応が少なくなりました。
結果はこれだけにとどまらず、自分が行った利他行為が役立つという考えがより強かった人は、痛みに対する脳の反応がさらに少なくなりました。


<意味のある行動を増やす=痛みが減る>
加えて研究著者は、自分が行った善行に与えた意味が、脳のが受ける痛みの強さに影響することを発見しました。
さらなる研究が必要ではありますが、著者は、医学界は利他的行動を利用して「痛みを治療するための現状の行動療法を補う」ことを検討すべきだと考えています。

過去の研究では、他人を助ける行為が脳の報酬センターを刺激し、一種の「ヘルパーズハイ」をもたらしたことがわかっています。

痛みの感覚減少に加えて気分が向上する化学物質が放出されることを考えると、私たちの脳は、何も見返りを求めていなかったとしても、他人を助けることを自分の利益であると捉えているように見えます。
この調査結果は、ボランティア活動やその他の良い行いに参加することを新年のやることリストに追加し、自分と他人の健康を改善するための良いきっかけとなるのではないでしょうか。

出典 2019年12月30日更新 CNN health『Volunteering and other good deeds reduce physical pain, a study finds』(2020年1月15日に利用)
https://edition.cnn.com/2019/12/30/health/volunteering-reduces-pain-wellness/index.html