マインドフルネストレーニングで血圧が下がる可能性
新しい研究では、心を落ち着かせる効果があると長い間信じられてきた活動であるマインドフルネスが、高血圧の軽減に効果があるという証拠が示されました。
薬とマインドフルネストレーニングが、高血圧を軽減できることを示す事例証拠は存在します。
しかし、こうした主張が臨床的に確定されたことは、研究者らが先月PLOS One誌に新しい研究を発表するまで、殆どありませんでした。
著者らは、「受容性、実現可能性、および仮説的および近位的な自動調節機構への影響を評価する」ために設計された、マインドフルネスベースの血圧低下（Mindfulness-Based Blood Pressure Reduction：MB-BP）プログラムの調査結果を報告しています。
MB-BPプログラムに登録した参加者は血圧が大幅に低下し、この効果は試験の1年後に行われた追跡検査時点でも持続していました。
高血圧は、米国や世界で主要な死因となっている心疾患の重大な危険因子です。
しかし医師にとって、高血圧の治療は困難となることがあります。
「高血圧は、理論的には全ての人においてコントロールすることができることは十分に知られています。しかし、高血圧の診断を受けた人の約半数が、未だにコントロールできていない状況です。」と、筆頭著者のエリック・ルークス氏は述べています。
彼は、ロードアイランド州にあるブラウン大学疫学部、社会行動科学部および医学部の助教授を務めています。
＜血圧課題とMB-BP＞
医師が患者に高血圧の診断を下す際、通常、より健康的な食事をとるよう推奨します。
例としては、塩分の摂取量を減らしたり、定期的に運動したり、減量することが挙げられます。
しかし一部の人は、このようにライフスタイルの変更を永続的に維持することは難しいと感じるかもしれません。
医師はまた、血圧を制御するために薬を処方することがあります。
一部の人は遺伝的要素によって高血圧を発症するため、ライフスタイルを変化させても血圧が正常範囲まで下がることはありません。
MP-BPカリキュラムには、高血圧に直接対処し、血圧コントロールを維持するための健康的な習慣を維持する能力を高めるのに役立つ、マインドフルネスが組み込まれています。
ルークス氏と同僚研究者は、10つのセッションで構成されるプログラムを開発しました。
このプログラムでは、高血圧もしくは血圧の高い43人の参加者を1年間追跡調査しました。
参加者の80％以上が高血圧を患い、収縮期血圧は130mmHg、拡張期血圧が85mmHg以上でした。
残りの参加者は収縮期血圧が120～130mmHgの間にあり、拡張期血圧は最低でも80mmHgとなりました。
ルークス氏によると、このプログラムは参加者に様々なテクニックを教える「意図的なマルチモーダル介入」であったといいます。
プログラムではマインドフルネストレーニングが実施された他、行動が高血圧に与える影響に関する説明が行われました。
また研究者らは、参加者が医師に処方された薬を継続的に服用するよう促しました。
＜MP-BPカリキュラムの効果＞
1年後、参加者の血圧はベースラインよりも低いままでした。
加えて、自己管理能力も高いまま保たれていました。
研究前は推奨される健康的なライフスタイルに従うことが困難であった参加者も、ライフスタイルの変化を維持していました。
このプログラムの効果が最も高かったのは、収縮期血圧が140mmHgを超えることが特徴の、ステージ2のコントロール不全の高血圧を患う参加者でした。
これらの参加者は、血圧が平均15.1mmHg下がりました。
現在、200人以上の参加者からなる大規模コホートを対象としたランダムか対照試験による追加の試験が進行中です。
ルークス氏は、「今後の試験では、例えば健康教育の一部を排除するなどしても、依然としてマインドフルネストレーニングが大きな効果をもたらすかどうかを確認するための、解体研究が行われる可能性があります。しかし、マインドフルネストレーニングは通常、標準的な医療と組み合わせて用いるように設計されています。」
ルークス氏は、この研究結果が人の生活に変化をもたせると良いと考えています。
「このプロジェクトが、高血圧患者の治療選択肢のパラダイムシフトに繋がれば良いと考えています。」
「人生の早い段階でマインドフルネストレーニングを開始できれば、残りの人々の人生において健康的な老化を促進できるという希望があると考えています。これにより、そのそも高血圧に罹るリスクを軽減することができます。」
- エリック・ルークス
出典 2019年12月29日更新 Medical News Today『Mindfulness training may lower blood pressure』（2020年1月14日に利用）
https://www.medicalnewstoday.com/articles/327310.php#1
薬とマインドフルネストレーニングが、高血圧を軽減できることを示す事例証拠は存在します。
しかし、こうした主張が臨床的に確定されたことは、研究者らが先月PLOS One誌に新しい研究を発表するまで、殆どありませんでした。
著者らは、「受容性、実現可能性、および仮説的および近位的な自動調節機構への影響を評価する」ために設計された、マインドフルネスベースの血圧低下（Mindfulness-Based Blood Pressure Reduction：MB-BP）プログラムの調査結果を報告しています。
MB-BPプログラムに登録した参加者は血圧が大幅に低下し、この効果は試験の1年後に行われた追跡検査時点でも持続していました。
高血圧は、米国や世界で主要な死因となっている心疾患の重大な危険因子です。
しかし医師にとって、高血圧の治療は困難となることがあります。
「高血圧は、理論的には全ての人においてコントロールすることができることは十分に知られています。しかし、高血圧の診断を受けた人の約半数が、未だにコントロールできていない状況です。」と、筆頭著者のエリック・ルークス氏は述べています。
彼は、ロードアイランド州にあるブラウン大学疫学部、社会行動科学部および医学部の助教授を務めています。
＜血圧課題とMB-BP＞
医師が患者に高血圧の診断を下す際、通常、より健康的な食事をとるよう推奨します。
例としては、塩分の摂取量を減らしたり、定期的に運動したり、減量することが挙げられます。
しかし一部の人は、このようにライフスタイルの変更を永続的に維持することは難しいと感じるかもしれません。
医師はまた、血圧を制御するために薬を処方することがあります。
一部の人は遺伝的要素によって高血圧を発症するため、ライフスタイルを変化させても血圧が正常範囲まで下がることはありません。
MP-BPカリキュラムには、高血圧に直接対処し、血圧コントロールを維持するための健康的な習慣を維持する能力を高めるのに役立つ、マインドフルネスが組み込まれています。
ルークス氏と同僚研究者は、10つのセッションで構成されるプログラムを開発しました。
このプログラムでは、高血圧もしくは血圧の高い43人の参加者を1年間追跡調査しました。
参加者の80％以上が高血圧を患い、収縮期血圧は130mmHg、拡張期血圧が85mmHg以上でした。
残りの参加者は収縮期血圧が120～130mmHgの間にあり、拡張期血圧は最低でも80mmHgとなりました。
ルークス氏によると、このプログラムは参加者に様々なテクニックを教える「意図的なマルチモーダル介入」であったといいます。
プログラムではマインドフルネストレーニングが実施された他、行動が高血圧に与える影響に関する説明が行われました。
また研究者らは、参加者が医師に処方された薬を継続的に服用するよう促しました。
＜MP-BPカリキュラムの効果＞
1年後、参加者の血圧はベースラインよりも低いままでした。
加えて、自己管理能力も高いまま保たれていました。
研究前は推奨される健康的なライフスタイルに従うことが困難であった参加者も、ライフスタイルの変化を維持していました。
このプログラムの効果が最も高かったのは、収縮期血圧が140mmHgを超えることが特徴の、ステージ2のコントロール不全の高血圧を患う参加者でした。
これらの参加者は、血圧が平均15.1mmHg下がりました。
現在、200人以上の参加者からなる大規模コホートを対象としたランダムか対照試験による追加の試験が進行中です。
ルークス氏は、「今後の試験では、例えば健康教育の一部を排除するなどしても、依然としてマインドフルネストレーニングが大きな効果をもたらすかどうかを確認するための、解体研究が行われる可能性があります。しかし、マインドフルネストレーニングは通常、標準的な医療と組み合わせて用いるように設計されています。」
ルークス氏は、この研究結果が人の生活に変化をもたせると良いと考えています。
「このプロジェクトが、高血圧患者の治療選択肢のパラダイムシフトに繋がれば良いと考えています。」
「人生の早い段階でマインドフルネストレーニングを開始できれば、残りの人々の人生において健康的な老化を促進できるという希望があると考えています。これにより、そのそも高血圧に罹るリスクを軽減することができます。」
- エリック・ルークス
出典 2019年12月29日更新 Medical News Today『Mindfulness training may lower blood pressure』（2020年1月14日に利用）
https://www.medicalnewstoday.com/articles/327310.php#1