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マウス研究:3種の抗生物質の配合で「残存する」ライム菌を除去

 ジョンズホプキンスブルームバーグ公衆衛生大学院の研究者らによる新しい研究では、成長が遅い変異型のライム細菌がマウスモデルに
重い症状を引き起こしたことが発見されました。

研究者によると、成長が遅い変異型のライム細菌は、現在のライム菌の抗生物質による治療で治癒されないライム病患者の10〜20%に見られる
持続的な症状を説明するかもしれません。

3月28日に『Discovery Medicine』誌に発表されたこの研究はまた、これらの持続的なライム細菌は、
ライム病患者を治療するために現在使用されている標準的な抗生物質の単剤でのライム治療に対して耐性があります。

研究のために、科学者たちは低成長型のライム細菌、『ボレリアブルグドルフェリ』を単離しました。
彼らは、通常の急成長型と比較して、成長が遅いタイプはより重度の関節炎様症状を引き起こし、
試験管内ならびにマウスモデル内で標準的な抗生物質治療に抵抗することを見出しました。

科学者たちは、ダプトマイシン、ドキシサイクリン、およびセフトリアキソンの3種類の抗生物質の組み合わせが、マウスでのライム感染を解消することを発見しました。
科学者たちは現在、持続性のライム病を持つ人々でのこの配合薬のテストを望んでいます。

「この分野には多くの希望に満ちた驚きがあります。標準的な単剤抗生物質による治療を行っているにもかかわらず、
持続性のライム病症状を患っている患者にとって、もっともらしい説明のみならず、潜在的な解決策があるからです。」
ブルームバーグスクールの分子微生物学および免疫学科の教授である、イン・ザン博士は述べています。

ライム病は、米国で毎年約30万人の人々を苦しめています。 この疾患はダニの一般的な種の中にひそんでいるボレリア菌が
ダニに刺されることによって人間に感染しそれによって引き起こされます。 

2週間〜4週間、抗生物質(ドキシサイクリン、アモキシシリン、またはセフロキシムのいずれか)の単剤投与で治療すると、
感染が解消され、ほとんどの患者の症状が治癒します。

しかし、治療を受けているライム病患者の約10〜20%は、疲労、筋肉痛、関節痛、意識の混濁などの持続性の症状が6ヶ月以上も持続します。

この治療後に発現するライム病症候群は、多くの医師の間で物議をかもしています。 なぜならこれらの患者の研究では、
特に、治療後に、感染または再発の存在を明らかにするための標準的な方法で、
通常ボレリア属細菌が彼らの血液から培養できることを示すことができなかったからです。

しかし、多くの細菌と同様に、ボレリアは、低栄養条件下、またはその他のストレスの下で、
通常の急速な増殖から、ほとんどまたは全く増殖しない「定常期」のような、変異型に変化することがあります。

この研究ではまた、これらの固定相変異体が、正しい薬を用いて死滅させることができると示唆されました。
ザン博士らによる研究は、ダプトマイシン、ドキシサイクリン、そしてセフォペラゾンの配合が、
定常期変異型を含むボレリア・ ブルグドルフェリ(アメリカの典型的ライム病の病原体)を確実に死滅させることを示しました。

この新しい研究で、ザン博士らは定常期のボレリア・ ブルグドルフェリを育て、ミクロコロニーとプランクトンという2つの異なる非成長型を単離しました。
彼らは、これらの形成細菌がドキシサイクリンのような標準的な抗生物質やライム病の治療に使用される2種類の薬剤の組み合わせに対してさえ、
耐性があることを確認しました。

彼らはまた、これらの定常期型細菌が、正常に増殖しているボレリア・ ブルグドルフェリのらせん型と比較して、
マウスにおいてはライム病様症状を悪化させ、主に炎症や関節腫脹を引き起こすことを示しました。

しかしながら、ダプトマイシン、ドキシサイクリンおよびセフトリアキソンの配合でこれらのマウスを治療することでこの感染病を効果的に根絶しました。
「多くの医師が治療後のライム病症候群患者で、抗生物質の配合薬による臨床試験を行いたいと思っています。
そして今我々はそのような臨床試験ができることを動物実験で示しました。」
とザン博士は言います。

博士らは、治療後のライム病症候群に対して固執薬の組み合わせにおいての臨床試験を計画しています。
彼らは、様々な薬に対する感受性が異なる深刻で持続的な感染症を引き起こす、『残留細菌』には、標準的な治療を行っても症状が持続する
他の感染症に対してもこの方法が当てはまるかもしれないと述べています。  

【以下のウェブサイトより引用】
https://medicalxpress.com/news/2019-04-three-antibiotic-cocktail-persister-lyme-bacteria.html