マラリア:イベルメクチンを抗マラリア薬に加えることは、「蚊自体の死亡率に大きくかつ長期的に影響」
ケニア医学研究所(KEMRI)との協力で活動しているリバプール熱帯医学研究所(LSTM)の研究者は、標的とする寄生虫、マラリアの広がりを減らすためにの既存の薬物とは対照的に、蚊を死滅させる新しいタイプの抗マラリア薬による大きな潜在的な影響を示しています。
イベルメクチン:新しい抗マラリア薬の可能性
ケニア医学研究所(KEMRI)とリバプール熱帯医学研究所(LSTM)の研究者たちは、イベルメクチンが抗マラリア薬として新たな可能性を秘めていることを発見しました。この薬は、従来の薬とは異なり、蚊自体を死滅させる効果があります。これにより、マラリアの広がりを減少させることができると考えられています。
イベルメクチンとマラリア予防
LSTMのメノ・スミット博士によると、高用量のイベルメクチンを抗マラリア薬に追加することで、マラリアの感染率が大幅に減少することが数学的モデルで予測されています。この結果は、イベルメクチンがマラリア予防において重要な役割を果たす可能性を示唆しています。
イベルメクチンの安全性と効果
KEMRIのイェリ・コムベ博士は、高用量のイベルメクチンが許容可能な安全性プロファイルを持ち、少なくとも28日間の長期間、蚊を死滅させる能力があることを強調しています。また、イベルメクチンは抗寄生虫薬として低用量で広く使用されており、標準用量の10倍までの用量で安全に使用されていることが示されています。
マラリアとの戦いにおけるイベルメクチンの重要性
イベルメクチンは、蚊帳や屋内に残留するスプレー薬に耐性を持つ蚊を標的とする現在の課題に取り組む新たなツールとなり得ます。LSTMのフェイコ・テ・カイルル教授は、高用量イベルメクチンのマラリア駆除への影響をさらに評価するために大規模試験が必要だと述べています。
研究成果と今後の展望
この研究の予備成果は、世界保健機関(WHO)のエビデンスレビュー集会で発表され、UNITAIDはイベルメクチンのさらなる研究を要請しています。イベルメクチンは、マラリアおよび他の蚊に媒介される病気との戦いにおいて新しいベクトル制御ツールとしての使用が期待されています。
参照記事: Malaria: Adding ivermectin to antimalarial had ‘major and prolonged effect on mosquito mortality’