メチマゾールは、放射性ヨードよりもグレーブス眼症に対してより効果的
医療誌『Thyroid』で発表された最近の研究結果によると、グレイブス眼症のより良い成果が、放射性ヨード治療と比較した低用量のメチマゾール療法で見出されました。
「この研究は、軽度のグレーブス眼症の患者でさえ、[放射性ヨウ素]治療が目の病気の段階(進行や安定性)に関係なく長期効果はマイナスであることを実証しています。」と研究者らは書いています。
初期の軽度のグレーブス眼症や、以前、抗甲状腺薬で治療を行っていたということにも関わらず、放射性ヨードで治療された患者はグレーブス眼病の治療結果が臨床活動のスコア値が上昇する結果となりました。
ブラジルのカンピーナス・カトリック大学のダニロ・ヴィラジェリン博士とカンピナス大学の研究チームは、グレーブス眼症患者238人について、甲状腺機能不全の頻度や生活の質、および体重の変化などを確認するために
12カ月~24カ月の抗甲状腺薬療法を中止した後の疾患の再発について評価を行いました。
被験者にはレボチロキシン置換(n
= 114、平均追跡期間80.8ヵ月)の放射線ヨウ素治療(RAI)または低用量(2.5-7 mg /日)メチマゾール(n = 124、平均追跡期間71.3ヵ月)が割り当てられました。
12カ月、24カ月、36ヶ月、48カ月および60ヶ月で、甲状腺機能障害の罹患率が高い(P <.001)RAI治療群と比較して、メチマゾール群の参加者の方により多く、甲状腺機能低下状態(P
<.001)が見られました。
経過観察期間中、臨床活動スコアで評価したグレーブスの眼病変は、RAI群でより大きくなりました(P <.0005)。
また、経過観察中、RAI治療では臨床活性スコアは改善しませんでした(24カ月、36カ月、48カ月および60カ月、全例ではP <0.05)。
少なくとも6ヵ月間甲状腺機能が安定していた患者の36項目短形健康調査のアンケート調査結果では、グループ間に有意差は認められませんでした。
メチマゾール群と比較してRAI群でより多くの体重増加が見られました(P <.005)。
グレーブス眼症が再発した場合、特にグレーブス眼症で、もしくは放射性ヨードまたは手術によるアブレーション治療に反対である患者では、長期低用量でのメチマゾールの使用は、治療代替薬となる可能性があります。
【以下のウェブサイトより引用】