メディアが抗うつ薬使用へ注意を呼びかけた後若者の薬使用率は低下したが自殺件数が増加
研究者らは抗うつ薬を若者が服用することの潜在的な危険性について米国食品医薬品局(FDA)の警告してきたことで若者に自殺傾向が上がった事により裏目に出た可能性があることを報告しました。2003年に強烈でおそらく誇張されたメディアの薬警告に関する報道により抗うつ薬の処方が激減しました。BMJに発表された研究ではハーバード大学医学部とハーバードピルグリムヘルスケア研究所の研究者は抗うつ薬の処方は、若者の間で抗うつ薬処方が5割以上落ちたときに21.7%の自殺衝動が増加したと報告しました。この研究はメディアや公の政策が人々の健康状態に影響を与えるかを調査したものになります。
ハーバードピルグリム健康ヘルスケアのインストラクターであり研究の執筆者であるクリスティンルー氏は
「FDAやメディア、医師は患者が必要な治療を受けることができ、副作用リスクから保護できる良い方法を見つけるべきです。」と語りました。これは非常に難しい問題ですが解決しないとより深刻な問題が起きる可能性があるとハーバードピルグリムヘルスケア研究所の人口医学のHMS教授であるStephen Soumerai氏は語りました。
2003年に既存の臨床試験を調査したところ抗うつ薬を使用した若者のおよそ1%が自殺を考えた経験があることを指摘しました。薬の警告はニュースなどで大きく報道されましたが薬の潜在副作用のみ報道し、うつ病の不十分な治療のリスクについては報道されませんでした。
薬の安全性についての警告は医療機関、両親や若者の薬の使用をためらわせることになりました。
FDAが引用した研究では自殺考慮のリスクが上がっただけで、自殺そのものが増えたわけではありませんでした。近年多くの若者が警告が上がる前に抗うつ薬を処方されており、自殺衝動は抑えられていたと研究者によって考えられていました。
FDAは警告サインについて見直しを行い、患者へ薬を処方する場合のリスク、処方しない場合のリスクを考えるよう医師に指示するように伝えました。
これらの薬は患者を救うことができるとSoumerai氏は考えていますが
メディアは比較的低リスクの副作用を大げさに報道していました。
FDAによる副作用リスクは治療を受けた約1%ですが、抗うつ薬使用の場合は約20%相対的に下がります。多くのうつ病に悩む若者患者は適切な治療を受けることがありませんでした。
研究者は2000年から2010年に米国精神衛生研究ネットワークの11のヘルスプランより
集められた匿名の患者データを分析しました。
コホート研究は110万人の青年、500万人の若年成人を含んでいました。
向精神薬の過剰摂取を自殺衝動の測定として利用しました。
自殺を実際に行った患者は非常に稀であり750万人の患者に変化がなかったことは予測されていました。薬の過剰摂取による自殺未遂は非常に深刻な結果となり、多くの場合長期間の入院や患者やその家族に大きな影響がありました。クリスティンルー氏は薬の副作用リスクと薬を使用しないリスクへの理解を高めるべきであると語りました。
以下のサイトより引用
http://www.medicalnewstoday.com/releases/278498.php
以下のサイトより引用
http://www.medicalnewstoday.com/releases/278498.php