電話: (050) 5806 4417

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / メトホルミン: 1型糖尿病の治療で健康的に心臓の働きを向上

メトホルミン: 1型糖尿病の治療で健康的に心臓の働きを向上

メトホルミンは一般的に使用される糖尿病薬ですが、1型糖尿病を持つ人々の心臓疾患の発生を遅らせるのに有効であることをとある研究が示しています。

この安価な薬物は、2型糖尿病患者の血糖値を低下させるためにしばしば使用されていますが、ニューキャッスル大学の研究者は、現在、他の利点をも有する可能性を探っています。

ニューカッスル大学の糖尿病薬の上級講師、糖尿病専門医でもある、クイーン・エリザベス病院のヨランタウィーバー博士が、この研究を主導しました。

彼女は次のように述べています。
「心疾患の転帰は、非糖尿病患者に対して、糖尿病の患者では悪化しているので、付加的な治療の選択肢を特定する必要があります。
メトホルミンは、骨髄から放出された血管幹細胞によって作成された修復機構を増加させることにより、1型糖尿病が心臓疾患を発症する可能性を下げるのに役立てるため日常的に使用することができます。

心臓病は、糖尿病患者における疾患の主要な原因であり、すべての死亡者数の半分以上を占めています。

心血管糖尿病学ジャーナルに掲載されているこの臨床試験の所見は、1型糖尿病の治療を改善するための最善の方法を理解する上で、主要な研究であると研究者らは述べました。

この試験では、最大23年間、1型糖尿病を持病にしている19歳~64歳の23人の患者グループが関与していました。

各被験者は8週間、メトホルミンを1日3錠まで与えられました。彼らの幹細胞は、血液中で直接測定され、そして、研究者は試験管幹細胞を育て、どのように挙動するかを観察しました。

同じ年齢層の他の参加者の中で、9人はさらに、標準的なインスリン治療を行うように求められました。
試験結果は、メトホルミン群では血管の修復があり、血管幹細胞の改善がありました。

ウィーバー博士は次のように付け加えました。

「我々の研究は、心血管疾患のリスクが高い患者のために、彼らの治療選択肢を改善することにより、プラス方向での臨床的意味があるエキサイティングな第一歩です。」
「この研究は、メトホルミンが比較的よく制御された1型糖尿病の患者に投与された時、糖尿病の制御の向上を超えた不加的な利点があることを示しています。私たちは、この薬剤が心疾患の発生を遅らせたり、遅れを助長する血管幹細胞を増やすということを確立しています。」

研究者は、メトホルミンを服用した後に、すべての患者がインスリンの投与量が減少し、重大な悪影響はなかったことを指摘しました。

「1型糖尿病の患者は、彼らが服用しているインスリンに加え、非常に低い用量でもメトホルミンを追加する可能性について、主治医と検討すると良いかもしれません。しかし、血糖値の低下を防止するために、インスリン投与量を調整するには注意が必要です。」とウィーバー博士は締めくくりました。

(記事元)http://www.diabetes.co.uk/news/2016/aug/metformin-could-improve-heart-health-in-type-1-diabetes-treatment-97673279.html