メトホルミンは全ての病気の死亡率を減少させ寿命を延ばす
メトホルミンを服用している人の中には、FDAの承認による処方のみならず、一般的な健康維持のためや老化を遅らせることへの効果の可能性があると考え、おそらくその目的のために使用している人もいます。
メトホルミンは、すべての原因においての死亡率を減少させるといったことが様々な研究で示されており、薬の使用についての影響とその作用メカニズムについて広範に研究されています。
メトホルミンは1989年より臨床試験が行われていますが、長寿に関しては3件の臨床試験でのみ言及されています。
(1)長寿においてのメトホルミンの研究
(2)前糖尿病患者におけるメトホルミンおよび長寿遺伝子
(3)メトホルミンと長寿について
『The Targeting Aging With Metforminメトホルミンの使用でターゲットとした年齢層』という研究は、FDAの認可を受けている米国高齢化連合研究機関が支援している臨床試験です。
これには、ふたつの被験者グループの比較研究で、メトホルミンとプラセボによる被験者が各1500名で行われ、メトホルミンが病状の前駆症状の発症を遅らせるかどうかを調べました。
被験者は、米国内に居住する70〜80歳の年齢層で5年間追跡調査が行われました。
TAME試験は、2014年にFDAで最初に議論されましたが、メトホルミンを服用している正常な健康な人の寿命の影響を調査するための資金提供を待っています。
メトホルミンはすべての原因による死亡率を減らすということにおいてはNo.1でしたが、フィッシュオイルやPCSK9阻害剤、テストステロン、およびSGLT2阻害剤に関するデータには負けている部分があります。
メトホルミンと他の2型糖尿病の従来の治療法を比較した20歳の患者5,000人以上を対象とした前向き研究では、従来の療法と比較して原因死亡率が36%程度低下しました。
しかし、すべての研究がそのような劇的な効果を示すわけではありません。
メトホルミン単独療法とSU薬療法での研究では糖尿病患者では、スルホニルウレア患者の全死因での死亡率が58%高いことを示しています。
前立腺癌がありメトホルミンを使用している糖尿病の高齢の男性は、最初の6ヶ月間で24%のACMRを有し、前立腺癌特異的死亡率は24%減少しましたが、この効果は時間の経過と共に減少しました。
メトホルミンとがんに関する論文のメタ分析では、メトホルミンと他の従来の薬剤との比較で糖尿病患者の癌と死亡率は57%の減少を示しています。
インスリン療法は糖尿病患者のがんリスクを約69%増加させました。
いくつかの死亡原因は、メトホルミンによって減少する可能性があり、研究はこれを裏付ける証拠を提供し続けています。
しかし、アンチエイジングという理由からメトホルミンを服用する健康な人でも有益な効果があるかどうかについての研究は、TAME試験が資金提供を受けるのを待たなければならず、これらの質問に答えが出るまで(試験が完了するまで)には、何年もかかるでしょう。
さしあたり、メトホルミンは安価であり、費用対効果が高く、乳酸アシドーシス以外の副作用はほとんどないというメリットに注目しましょう。
【以下のウェブサイトより引用】
https://www.worldhealth.net/news/metformin-may-reduce-all-cause-mortality-and-extend-lifespan/