モデルナワクチンはアルファおよびベータ変異体に対して非常に効果的
2021年2月頃、カタールでワクチン接種計画が拡大されていた時期に、2つの重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)変異株がカタール国内で優勢になりました。その変異種は、B.1.1.7(アルファ株) とB.1.351(南アフリカ変異株 )です。
モデルナ社のSARS-CoV-2ワクチンは広く配布されており、臨床試験で2回目の投与後には、原生型SARS-CoV-2に対しては94.1%の有効性が報告されています。
したがって、本誌では最近Nature Medicine誌で発表された論文の中で報告されているように、これらの変異体に対するワクチンの有効性を測定する機会としてこれを使用し、ワクチンがすべての面で優れた有効性を持っていることを発見しました。
多様な人口統計
カタールは人口統計学的に若くて多様であるため、50歳以上の居住者はわずか9%で、大多数が他国から移住しているため、ワクチンの有効性に関する疫学データを引き出すことは興味深い人口構成です。
研究グループは、完全なゲノム同定のために、PCRおよびその後のサンガーシーケンス解析を含む全国統計データを利用しました。
ランダムテストを毎週行い、識別のために3,924件の標本を収集し、それぞれ66.4%と24.7%の人口の中でB.1.351とB.1.1.7のおおよその割合を示しました。
懸念される変異株
B.1.1.7スワブ検査で陽性であるものによって定義されるB.1.1.7変異体に対して、ワクチンは最初の投与後2週間ではほんのわずかな免疫応答が生成しましたが、3週目と4週目には81.6%と94.4%に達しました。
その後、2回目の投与が行われた後の2週間で99.2%の免疫が誘導され、その後少なくとも2週間で100%にまで上昇しました。
同様に、ワクチンは、懸念されるB.1.351変異株に対する初回投与後の最初の2週間はほとんど免疫応答を生成せず、3週目と4週目に47.9%と73.7%に達しました。しかし、ワクチンの2回目の投与により、2週間以上後に有効性が96.4%に上昇しました。
懸念されるB.1.1.7およびB.1.351のSARS-CoV-2変異株はどちらも、ワクチン投与後の1週目と2週目では効果が低かったものの疾患の重症度または死亡の可能性に関して同様の低下が見られました。 また3週目と4週目には70.3%と92.1%の有効性に急速に上昇しました。
2回目の投与から2週間以上が経過した後、疾患の重症度を制限するというワクチンの有効性は95.7%に達し、症候性感染(感染しているが症状がない)に対するワクチンの有効性は98.6%と決定されました。
さらに、全く感染していない人に対するワクチン有効性は、92.5%と計算されました。
この研究グループは、B.1.351変異株に対する保護効果の開発において、B.1.1.7変異株に対するよりも蓄積速度が遅いことを示したことに注目しています。
さらに、保護の大部分は、1回のみの投与後十分な時間をかけて開発されます。これは他の研究によって裏付けられており、2回目の投与を遅らせたり投与しないことが効率的にワクチンを使用するための戦略である可能性があります。
この研究はモデルナワクチンに焦点を当てていますが、他のワクチンが国内で投与されており、ここで見られるよりも免疫応答が低いことが示唆されています。
これは、ファイザーワクチンの1回目と2回目の投与が推奨よりも1週間遅れたためか、このワクチンが以前に入手可能だったためである可能性があります。
したがって、高齢者はすでにワクチン接種は済ませていたためこの研究には含まれていません。
この若い集団はCOVID-19が重症化する可能性が高い個人が少ないため、致死性に関する懸念のある変異株に対するワクチンの影響についての評価をより困難にしました。
いずれにせよ、これらの発見は、ワクチンが、原生型のSARS-CoV-2に対して観察されたものと同様、あらゆる点で懸念されるB1.1.7変異株およびB.1.351変異株に対して良好な有効性が維持されていることを示唆しています。
【以下のリンクより引用】
Moderna SARS-CoV-2 vaccine highly effective against alpha and beta variants
News Medical Net
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