リバロキサバンとアスピリンの組み合わせは、下肢血行再建術後のPAD患者においての虚血性心疾患を大幅に減少させる
『第3相VOYAGE RPAD研究』のデータは、2.5 mgのリバロキサバン(商品名:イグザレルト、Xarelto)と100 mgのアスピリンを1日1回併用することで、アスピリン単独と比較した場合の、下肢血行再建術(LER)後の末梢動脈疾患(PAD)の患者における重度の血管疾患を、以前に発症した血管疾患数に関係なく減らすことを示しました。
オンラインで行われた、アメリカンカレッジオブカーディオロジーの第70回年次科学セッションでの最新のプレゼンテーションとして発表された試験の結果は、リバロキサバンとアスピリンの併用により、LER後のPAD患者の最初の血管疾患の発症を15%削減できることを示しました。
さらに、分析では、疾患によるその後の深刻な負担、そして、血管疾患のプライマリエンドポイントと、中央値2.5年にわたる総血管イベントの一貫した14%の削減が示されました。
現在、約850万人の患者がPADと診断されています。しかし、診断はされていないもののPADとともに生きていると推定されているアメリカ人は2,000万人と言われています。
PADは最初は無症候性として現れることがよくありますが、症状が進行し、潜在的に、将来切断となる必要を回避するために、血行再建術が必要になる場合があります。
「血行再建術から数年後でも、PADの患者は、過剰なトロンビン生成と血小板凝集のために、将来の血栓性疾患の発作リスクが著しく高いままです。」
と、コロラド大学アンシュッツメディカルキャンパス医学部循環器内科のマーク P. ボナカ医学博士は述べています。
「最初の発作を終え、VOYAGE RPAD試験によるこの分析では、リバロキサバンとアスピリンの併用でその後の血栓性イベントの減少が見られ、これらの高リスク患者における長期予防の重要性が強調されました。」
研究者らは、この研究の最初の心血管疾患の発作までの時間と、その最初の発作の後に発生した血栓性イベントを評価しました。
この評価からのデータは、リバロキサバンとアスピリンが、急性下肢虚血、血管原因の主要な切断、致命的でない心筋梗塞、致命的でない虚血性脳卒中、または血管原因による死亡を含む、主要エンドポイントイベント全体をアスピリン単独と比較して大幅に減らすことができたことを示しました。
さらに、リバロキサバンとアスピリンの併用療法は、アスピリン単独と比較して、すべての主要エンドポイントとその後のインデックスおよび対側下肢および静脈血栓塞栓性発作を含む血管発作の総数を大幅に減少させることが示されました。
しかし、研究者らは、リバロキサバンとアスピリンの併用療法を受けた患者を対象とした『VOYAGER PAD試験』の間に、心筋梗塞での大出血における血栓溶解の有意な増加は、アスピリンと比較して認められませんでした。
「VOYAGE RPAD試験は、下肢血行再建術後の末梢動脈疾患患者に有意な効果を示す、過去20年間で最初で唯一の抗血栓療法の研究です。」
と、ヤンセンの研究開発グローバル治療領域責任者のジェームズ・リスト医学博士は述べています。
「これらの新しいデータにより、慢性、症候性、血行再建術を必要とする患者など、末梢動脈疾患のさまざまな段階を経て患者を治療する際、リバロキサバンを使用する可能性を示す証拠についての全体像が得られました。」
【以下のリンクより引用】
Pharmacy Times