リンパ腫におけるCNS関与には明確なガイドラインが必要
中枢神経系(CNS)転移は大細胞リンパ腫の患者の1%〜2%で起こるが、この小規模なサブグループでの標準治療法を確立することが不可欠だと、とフィリップ・ビアマン医師は述べています。
これを早期に診断することは、治療の成功と予後の改善にとって重要であると、ネブラスカ大学医学部の血液学と腫瘍科内科の教授であるビアマン医師は説明します。
「中枢神経系の関与はおそらく私たちが考えるよりも頻繁に起こります。」と彼は言います。
NCCN、ESMO、および、スペインリンパ腫協同組合のそれぞれには、この珍しい患者のサブグループの管理方法について独自のガイドラインがあります。
おそらく最も重要な側面は、臨床的リスク要因を有する患者を特定することであると彼は説明しました。
リツキシマブ(Rituxan)のFDA承認前に実施されたいくつかの大規模な前向き臨床試験では、血清乳酸デヒドロゲナーゼレベルの上昇および(または)節外部位の関与のある患者におけるCNS再発率が高いことが報告されています。
“> 1”の国際予後指標もCNS関与に寄与しているようでした。
昨年発表されたいくつかの研究では、おそらく全身性リンパ腫の制御が改善されたためにリツキシマブ治療を実施した後のCNS関与率の低下について記述されています。
データは、病気の制御が改善されたことにより、皮下脂肪の再発も減少したことを示しています。
これらの群のガイドラインに基づいて、CNS関与を伴う大細胞リンパ腫の標準治療は、メトトレキセートによるR-CHOP化学療法のままです。
ビアマン医師は、新規薬剤と組み合わせた化学療法を含む最適治療レジメンをさらに分析することの重要性を強調しました。
本誌OncLiveとのインタビューで、ビアマン医師は、積極的リンパ腫におけるCNS関与の現状と実施すべき研究について議論しました。
《インタビュー内容》
OncLive:CNSのリンパ腫への関与はどのくらいの頻度で起こっていますか?
ビアマン医師:大細胞リンパ腫の患者の約1%〜2%がCNSに関与することが判明しています。
これは、同時性CNSや全身性リンパ腫とも呼ばれます。
時々、それが同時に起こっているともいわれます。
再発時に患者を見ると、治療を開始してから最初の数ヶ月で発生することがよくあります。
それが、人々が臨床的な危険因子を持っている場合、我々はおそらくもう少しよく見るべきです。
これは、脳実質または軟部組織区画が含まれる可能性があります。
私が言ったように、私たちはめったにそれを見ません。
しかし確かに存在するのです。
それはより積極的な組織学でより頻繁に発生します。
これを扱う方法に関するガイドラインがあることは判明しています。
NCCNにはガイドラインがあり、また、ESMOにもガイドラインがあり、スペインリンパ腫協同組合にもガイドラインがあります。
ほとんどのガイドラインでは、中周期のメトトレキセート(治療の各サイクルの15日目に少なくとも3g / m2の高用量のメトトレキセート)でCHOP治療を行うことが推奨されています。
OncLive:これらの患者集団の治療上の課題は何でしょうか?
ビアマン医師:私たちはランダム化試験は行っていません。
主な質問は、「最高の治療法は何ですか?」ということですが移植がこれらの患者に役立つかどうかという疑問もあります。
多くの人々がそれを推薦していますが我々はその答えを知りません。
OncLive:そこに良いレジメンがありますか?
ビアマン医師:例えば、イブルチニブ(商品名:イムブルビカ)とR-CHOPを組み合わせた場合、どのような利点がありますか?
R-CHOPとレナリドマイド(商品名:レブラミド)ではどうでしょうか?
これがCNSの再発率を低下させる可能性があることを示唆しています。
大部分の人々は、高用量メトトレキセートと組み合わせたアントラサイクリンベースの化学療法のいくつかの種類のものが選択肢であると言っています。
OncLive:この研究分野の主なメッセージは何ですか?
ビアマン医師:この患者集団はうまくいく可能性があります。
それだけでなく彼らは治癒することができます。
また、これらの組織のガイドラインに従って治療する必要があります。
もう一つの疑問は、単に髄膜癌腫症を患っている人たちには何をするかです。これを考察する前向き研究はさほど多くありません。
フローサイトメトリーによって特定された髄膜癌腫症がある場合、脊髄液中の病気を根絶することができるという証拠がいくつかあります。
より血色疾患のある人には、おそらく高用量メトトレキセートが必要とされるでしょう。
【以下のウェブサイトより引用】