レット症候群の病態、iPS細胞で一部再現…慶応大など
自閉症やてんかんを引き起こす神経難病「レット症候群」の患者の細胞から作ったiPS細胞(人工多能性幹細胞)を、神経の細胞に変化させ、同症候群の病態の一部を再現することに成功したと、慶応大などのグループが発表した。
同症候群は小児で発症し、言葉や運動の能力を失うとともに、自閉症やてんかんの症状が出る。MECP2という遺伝子が変異していることで発症し、患者は全国に5000人以上いる。
岡野栄之・慶大教授(生理学)らが、患者の皮膚からiPS細胞を作り、神経系の細胞に変化させたところ、脳内で神経伝達物質や血流の調整に関わる「アストロサイト」と呼ばれる細胞が異常に多くできていた。研究グループは「アストロサイトの異常と病気の関係を調べ、治療法の開発につなげていきたい」と話す。
(2015年6月4日 読売新聞)
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